ダーク・ファンタジー小説
- Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.189 )
- 日時: 2015/03/28 22:49
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
嫌な匂いが、鼻を突く。
顔を歪め、匂いの元を探した。
「颯斗、臭くない?」
凛花は、颯斗に向かって話しかけた。
こうして、颯斗の位置を探ろうとしたが………
しーーーーん
全くと言っていいほど、反応はなかった。
着地の瞬間に、吹っ飛んだのかな。
「颯斗!いるの?いるなら、返事くらいしろ!」
返事くらいしろ、返事くらいしろ、返事くらいしろ………
暗い、世界に凛花の声がこだまする。
颯斗は、一体どこへ?
足を動かし、人影を探す。
誰もいない………
だんだん、心細くなってくる。
悲しくなってくる。
涙がこみ上げ、眼からこぼれ出した。
「はやとぉう!どこにいるのぉ!」
いつもの自分は、どこへやら。
ボロボロ大粒の涙をこぼし、歩き続ける。
長い、長い道を進んで、進んで。
何もない。
何も見えない。
今まで、誰かに囲まれてきた凛花にとって、
地獄より、恐ろしく、怖かった。
光一つなく、暗黒の世界。
何もない。
何も見えない。
辛い、ゲーム中も、怖かった。
けれども、
仲間がいた。
終わりがあった。
未来が見えた。
_______今は違う。
仲間はいない。
終わりもない。
何も見えない。
ここは、地獄。
イメージとは、違った。
炎が、あちこちで上がり、鬼が叫び_______必ず、誰かがいた。
なんだよ、おかしいだろ。
「助けてよぉ〜!はやどぅ!颯斗!」
フワッと、体が浮いた。
颯斗だった。
また、助けを求め、助けられてしまった。
結局、1人では生きることができない。
群れにいないと、生きていけない。
_______自分で、生きていく力がない。
また、思い知らされた。
「颯斗、私は、助けられてばっかり。駄目だよね……」
凛花は、涙を拭きながら、つぶやいた。
「助けられることの、どこが悪い?」
えっ?
どういうこと?
「助けられてばかりの、どこが悪いんだよ!」
颯斗は、無意識のうちに叫んでいた。
「だって、だって……」
「そいつに、力があるから、助けるんじゃないかな?」
「へ?」
力があるから、助ける?
「俺、多分、ソイツに力がないと思えば、見捨てると思う。」
「見捨てる……」
「力が、あるって分かってるから、
その力を伸ばそうと、思って助けてあげるんだと思う。」
涙は、もう、止まっていた。
「俺、馬鹿だから、うまいこと言えないな。ハハ。」
力が、私には、ある……
私には、、、、、ある。
「凛花、どうやらココは、地獄じゃないみたいだ。地獄は、この先のようだ!」
バコンッと、音を立て、颯斗は、地面を蹴り破った。
足元に、赤く、燃えがある世界が広がる。
凛花の思い描いて居た、地獄が広がっていた。
「なっ!自分から、地獄に行くバカがいるかーーーー!!」
2人は、また落下して行った。
「地獄〜♪」
颯斗は、地獄へ行くことを、楽しんでいるようだった。
「颯斗、地獄へ落ちることを、喜ぶな!」
凛花は、颯斗を小突いた。
「なんだよ?何時もの、平凡な世界より、マシだろ?」
「私は、平凡な世界の方が、好きだよ!」
キャッキャッと騒ぎながら、2人の地獄ツアーが、開始した。