ダーク・ファンタジー小説
- Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.193 )
- 日時: 2015/03/31 11:15
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
「凛花、なんて言ってたっけ?フェリアスの………」
颯斗は、モゴモグと口ごもる。
「ファラリスの雄牛」
「あっ!ソレソレ♪なぁ、この行列追い越して、その牛見に行こうよ。」
馬鹿か、コイツ。
人が、処刑されているところを、自分からワザワザ見に行くなんて。
炙り殺される、人間を見たいのか?
あり得ない。
プパープパー
また、炙り殺されている。
どれだけ、苦しいだろう。
どれだけ、熱いだろう。
また、ラッパの音がした__________
グイッと、颯斗の服の袖が、誰かに引っ張られた。
体が、後ろに倒れそうになる。
颯斗を掴んだ腕は、列から伸びていた。
「うわぁ!」
それに気がついた凛花は、慌てて颯斗の服のフードを掴んだ。
巻き込まれないように、と係員が言っていたのは、こんな事があるからか。
誰かと、共に死ぬ_______
そうすれば、寂しくないから?
ビチビチと、糸と布の間に隙間ができる音がする。
(千切れる!_____)
ギュッと、目を瞑り、フードを掴む。
ビリっ
布が千切れる音が、凛花の耳に飛び込んで来た。
ドダンッと、地面に尻もちを凛花はつく。
颯斗は、その間に列の人混みの中へ消えて行った。
「颯斗!!!!!!」
ゾロゾロと、進み続ける列____________
何百、何千もの死者達の中に、
1人の子供が紛れ込んでしまえば、
探し出すことは、ほぼ不可能になってくる。
どうすれば……………
しゃがみ込み、頭を抱えた。
颯斗が、冤罪で死んじゃったら‥……
嫌だよ。
!
その時、ある一つの考えが浮かんだ。
ファラリスの雄牛の、処刑の先頭へ行き、顔を確かめればいい.
急いで、立ち上がり、バンッと地面を蹴った。
急げ、急げ………
列は、何m続いているだろう。
ざっと、1kmはあるだろうか。
白装束の受刑者達が、嫌という程、目に入ってくる。
急げ、急げ………
走る、走る………
視界の端に、牛の姿が見えた。
牛の前に、人が、子供が‥……
颯斗!
「だから、俺は違うっつってんだろ!巻き込まれたんだよ!」
必死に、抵抗していた。
両手足を、骸骨に掴まれ、牛に詰め詰め込まれそうな状態。
「颯斗!」
そう、叫び、手を伸ばす。
ガルルルルル……
獣が、叫び、骸骨をバシンと跳ね除けた。
奴らはクルリと一回転した後、地面に落下し、バラバラに砕けた。
獣は骸骨が、いなくなると白い翼を使い空へ駆け上がった。
そして凛花の元まで来ると、ヒョイと背中に乗せ、また空へ駆け上がる。
「もう、こんなところは、ごめんだ。」
そうつぶやきながら。