ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.195 )
日時: 2015/04/02 11:02
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)


「いた……ぃた。凛……か!」

少し、目を開けると、目の前に、颯斗の顔があった。

凛花は、むくりっと起き上がる。

「颯斗!あっ………寝てたか。」

凛花は、前髪を掻き上げ、深呼吸をする。

「ったく、ほんの数分で、寝ちまうとはな。」

呆れたように、言い放った。

確かに、馬車に乗っていたのは、あっという間だった。

疲れてたのかなぁ。

心の中で、苦笑いしながら、立ち上がった。

颯斗は、手を差し伸べていたが、凛花は無視した。

「馬車は?」

「帰ったよ。お前が、寝てるうちに。」

「颯斗、ここ、もう地上なの?」

「分からねぇよ。」

苛立っているような、言い方。

聞いて、悪かったかな。

「うん、ごめんね。」

そう言って、静かに、歩き出した。

ここは、地上?ここは、地獄?

汗を流しながら、正規のルートへの道を探す。

辺りには、何もない。

建物も、植物も……

馬車は、どこへ連れてきたの?

風が吹けば、足元の砂が舞い上がり、頬にパチパチと当たってくる。

スニーカーの中に、砂が入り、足の裏をチクチクと刺す。

いつになれば、帰ることができるのだろう。

目に砂が入り、目を開けることも、辛い。

何か、建物があれば、そこへ避難する事が出来るのに…

しかし、ここには『何も』ないのだ。

砂に足を取られ、何回も転倒した。


ドスン、ドスン………


何も知らないこの土地で、知っているものに出会った。

この足音は_____________



___鬼だ。


どこだ、どこだ、どこだ………

四方八方から、音がするようにも聞こえる。



いきなり、自分の立っていた場所が、暗くなった。

その、『闇』の原因は、大きな影。

_____鬼の影。

凛花は、振り返った。

そして、自分の目を疑った。

いつもの鬼ではない。赤鬼ではない。

黒鬼。

ステージが、違うため、鬼も種類が違うのだろうか。

しかし、この黒鬼。

赤鬼よりも、強そうだ。