ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.197 )
日時: 2015/04/04 22:54
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

ガゴトッ

レンは、敵の機械に飛び乗った。

ツルツルとした、船体は、レンを落とそうとする。

「レン!やめて!勝てないから!
向こうは、何人いるか分からないのよ?」

「勝てないなんて、決まってない。ライト!ミオウを乗せて、この機械から離れろ!」

ライトは、クルンと一回転して巨大化した。

1枚目の皮膚を破り、新しく生まれ変わる。

レンが叫ぶと、ライトはミオウを乗せたまま機械から距離をとった。

「ライト!ミオウを護衛しとけ!」

「わかった!って、俺の事、呼びきり!?」

「今はどうでもいいだろう?」

ライトは、返事をして船と並行して飛び続ける。

「俺一人で、倒してくる」

靴のかかとを、船体の、凹凸にかけ、登っていく。

この、機械の中に入る入口を探し、

どこか、回路をショートさせれば、

コイツは、停止するはずだ。

停止すれば、こっちのもの。

何人いようが、倒してやる______



機械は、レンの想定を超える大きさだった。

触ると、鉄ではないように感じる。

軽量化のため、だろうか。

軽量化すれば、素早く動ける、だろうか。

しかし、鉄ではないとは言え、丈夫な物でできている。

船体にある、小さな窓は、外を確認するものだろうか。

ワイヤーが、入り、何かで叩き、

窓を割るなどという行為は、不可能のよう。

扉も、もちろんの事、内側からのみの、開閉になっている。

外側からは、開かない。

どこに扉が、あるのかすら分からない。


レンは、左手で船体を掴み、右手でポケットから革製の手袋を出した。

手汗で、滑りそうだからだ。

手袋をすれば、少しはマシになるかもしれない。

口に右手袋をくわえ、左手で船体を掴む。

右手を、口元に近づけ、手を袋に押し込む。

次に、手袋をはめた右手で船体を掴み、左手を"ゆっくり"放す。

また、口にくわえた、革手袋に左手を近づけ、手を差し込む。


ズルリッ


口から手袋が離れ、落下していった。

次第に、小さくなる手袋。

あと、少しだったのに_________

もう、諦めるしかない。

右手だけ、手袋をはめる。

指の腹に力を込め、また船体を登り始めた。

ズルズル……と、靴が滑り、なかなか進まない。

レンは、手、指の力だけで、捕まっている感じだ。

いつ、落下してもおかしくない。

生と死が、背中合わせとは、こういう時に、言うのか?

ガタガタと、身体中が震え、その場から動くことができなくなった。