ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.198 )
日時: 2015/04/04 13:27
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

もう、何時間壁に張り付いているだろう。

手は、赤くなり痛みも激しくなってきた。

冷たい風は、レンの体力を奪う。

ライトと、ミオウは、レンに呼びかけ続けた。

「レン!やめて!体力の無駄だから!
もし、命を落とすことがあれば、嫌だから!」

「俺が、いなくなっても姫様は、生きてください。
そして、新しい奴を見つけてください。
俺は、まだ、死ぬつもりはありませんけれど。
俺は、姫を国へ連れて帰るまでは、死にません。」

「……………」

ミオウは、機械に近付いた。

そして、腕を伸ばす。

ピクピク、指を動かし、レンに近付ける。

「レン……帰ってきて。やめて。私のために、危険な行為はやめて。」

「ミオウ様。
俺は、危険な行為を行う事が仕事です。
姫を守るためならば、命を捨てる覚悟も出来ております。」

そう言うと、
レンは、ミオウの方を、チラリとも見ないで船内へ入る扉を探し続ける。

どこだ………

ズルリッ

また、体が下へ落ちる。

しかし、また登る。

そうして、少しずつだが、入り口を探した。

革の手袋は、機械の塗料で白く汚れている。

「姫は________俺が守る。」


ガゴンッ


鉄の壁が、音を立てた。

何事だろう、レンは、音を立てた壁の方へ向かった。

壁に、ピタリと体を貼り付け横へ移動していく。

音は、先ほどレンがいた場所の反対側でしたようだ。

反対、船体の南側。

移動した先に見えたものは、『穴』だった。

穴は、どうやらこの機械の中へ入る唯一の入り口のようだ。

何があるか、分からないがレンは、侵入を試みた。

穴から、中を覗くと、やはり複雑な機械だらけだった。

そぉっと、足を踏み入れ中を見渡す。

赤や、緑などのランプが点滅していたり、

機械が、グラフを描いていたりと、随分ハイテクな物のようだ。

足元の床も、液晶のようだ。

レンが、足を置くたびに、色が変わっていく。

「なんだこれ………」

俺たちの、国より科学技術が進んでいる。

この日本も進んでいたが、もっと進んでいる。

一体、どこの機械だ。

中へ、進んでいくにつれ機械は、より大きく、より複雑になっていった。

通路のような場所を進み、抜けると大広間へと出た。

そこも、何かの実験施設のようだ。

テーブルの上で、フラスコの中の液体が沸騰している。

壁には、ビッシリと本が並べられていた。

「あ………」

ガラス張りの『箱』もいくつか置いてあり、マウスが入っていた。

薬などの、投与実験もしているのだろうか。

うちの国ならば、こんな事すれば、捕まるけれどね。

レンは、苦笑いしながらその部屋を歩き回った。

好奇心で入った機械の中は、もっと好奇心をくすぐられた。

俺たちの国には、こんな、文明は、いつ来るのだろうか。

この、機械を作った人物に会ってみたい。

って、俺は、この機械の中へ、姫を守る為に来たはずだぁー!

いけない!

ああ〜!っと、頭を掻く。

レンは、この機械を操縦している人物を探すことにした。

ソイツを、俺は倒す、それが今回の目標のはず。

機械の探検は、ソイツを倒してからにしよう。



---操縦室にて---

『シンニュウシャガイマス』

ブザーが鳴り、侵入者を知らせるアナウンスもなった。

操縦者は、アナウンスのスイッチを切った。

耳障りだからだ。

数秒後、赤いランプが点滅した。

ランプの下には、小さな文字で「laboratory」と書かれている。

日本語にすると、実験室。

この機械へ、良く入ってきた、感心しながら立ち上がった。

スイッチを操作して手動操縦から、自動操縦に切り替え、

レバーで、高度を少し下げる。

ペタペタ、音を立て、操縦室を後にした。

操縦室を出て歩き続け、ボイラー室を横目に実験室へ向かう。

ボイラー室は、ボイラーが置いてある。

ボイラーとは、密閉した銅製容器内で水を加熱し、
高音・高圧の蒸気を発生させるモノ。

この今乗っている機械は、
普段は磁力、リニアモーターみたいな感じで浮いているが、
磁力が弱まった場合、ボイラーで発生させた蒸気を噴射させて飛ぶのである。

なんだか、ハイテク感出てないけれど。




_____________

レンは、遂に操縦室を発見した。

まぁ、通常の航空機と同じように、中からしか開けることはできない。

けれども、レンは、無理やりでも開ける。

扉と、壁の隙間に指を差し込み、扉を開く。


ゴゴゴグゴッグ………


扉と、壁の間に5cm程度の隙間ができた。

そこへ、弓の鳥打と呼ばれる部分を差し込む。

次に、足を差し込む。

「絶対、入ってやる。」

スルッと音を立て、レンは、隙間を通り抜けた。

次に、大切な弓を引き抜く。

7箇所すべての部位をチェックして傷がないか調査。

傷がない事を確認すると、ゆづかを持ち中へ侵入した。