ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.203 )
日時: 2015/04/07 21:33
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)


シュルッと、アイツが姿を見せた。

ニマァ、と口が三日月の形になる。

なめられてる。

右手を、スッと出し、手招きまでしている。

クソォ………

レンは、体勢を低くした。

「ヒヒヒヒ」

不気味な笑い声が、耳に飛び込んでくる。

ムカつく………


ギュッと探をひき、矢を放つ。


ビヨンと、探が動き、レンの頬にパチンと当たった。


ヒュッ、と音を立て空気を切り、矢がアイツに向かった行った。

ズブゥ…………肉に矢が食い込む音がした。

「やった!」

レンは、咄嗟に叫んだ。

しかし、その喜びはあっという間に掻き消された。

『アイツには』当たっていなかった。

アイツの心臓を狙った、が、アイツは『盾』を持ってた。

レンの矢は、アイツの『盾』の中心にブスリと刺さっていた。

レンは、チッと短く舌打ちをしつつ、目を盾にやった。

(嘘だろ………)

放った矢は、盾ではなく、人間の頭部に刺さっていた。

ブシュウ、と血飛沫が上がり、目の前が真紅に染まった。

肉に矢が食い込む光景は、見たいものではない。

吐き気がレンを襲ってきた。

「ゔっ……」

みるみる、レンの顔は真っ青になっていった。

疲れもあってか、胃から何かが込み上がってくる。

「いいいいいい……」


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ミオウ達は、ずっと外で待機していた。

レンが、アイツを倒してくれるんだ。

ライトが、スゥッとミオウの腕の中から知らぬ間に、抜け出した。

そして、目を見開き叫んだ。

「ミオウ!危ないっ」

ミオウは、反射的に体を前に倒した。

その数秒後。

頭上を槍が飛んで行った。

鋭利な刃物がついた槍。

もう、少しでミオウの頭に当たっていた。

ヒィッとミオウは短く叫んだ。

サッと頭を抑え、ギロギロと辺りを見渡した。

「あああああああああああああああ」

恐怖で、声が止まらなくなっていた。

目が、カッと開き、痛みが走る。



ライトは、ミオウの異変に気が付き、サッと近付く。

「ミオウ、大丈夫?僕がいるよ?」

パクリとミオウの指に噛み付くが、サッと払われてしまった。


「ああああああああああああああああ」

壊れた機械の音のような声が響く。

声が掠れてゆき、次第に苦しくなってきた。

呼吸が荒くなる。

目が充血してくる。


ライトは、どう対処すれば良いのか分からなかった。

ミオウの、ストレスが爆発してしまった、そうライトは考えた。

ミオウの爆弾に、レンがいないという火が着火してしまった、だろうか。

ライトは、ズズッと後ずさりした。

怖い………ミオウが怖い。

どうかしてしまったミオウが怖い。

自分では、手がつけられないミオウが怖い。

「「「「ミ"オヴ!!!」」」」

ライトは、ミオウを元の世界に戻そうと叫んだ。

帰ってきてくれよ………

お前は、ミオウの皮を被った偽物だろう!!???