ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.207 )
日時: 2015/04/14 17:35
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

体を丸め、痛がるミオウ。

ライトは、ただ呆然と眺めることしかできない。

僕が、医者だったら………

そんな思いが心の中を駆け巡る。

「ミオウ、僕がついてるからね……」

そんな事を言っても、何か出来るわけでもないのに……

レン、早く帰ってきて。

もう、ミオウを救えるのは君_______

_______レン、君だけだ。





牢屋から、一歩も出れない。

レンの力では、鉄格子は破れない。

鉄格子は、とびきり硬い石でできていた。

簡単には、脱獄はできない。

古くなった鉄格子なものだから、てっきり簡単に突破できると思っていた。

んな、わけなかった。

考えが甘すぎた。

いくら、古いとはいえ『とびきり硬い石』なのだ。

手が滑らないよう、革手袋をすれば、逆に革手袋に穴が空くほどだ。

レンが、探した結果出入り口はココの牢屋の扉のみのよう。

俺は………ミオウを守るために生きているのに。

それが、ミオウを守るどころか捕まっているではないか。

隙をつかれてしまった。

一瞬の隙が命取りだな。

ライト、アイツ1人でミオウを守れるのか?

ライトの奴、1人で敵に向かうなんていう無茶しそうだな。

あいつのことだ。

心配はいらないと思うが………

問題は、ミオウだ。

長い戦闘の中、体が持つかどうか。

ミオウ、意地っ張りだからしんどくても、言わないから。

そこが、逆に心配するんだよ。

って、人の心配するより自分の心配だよな。

床に穴を開けて脱出っていうのは、不可能。

ダイヤモンドで出来てるのか?

さっきから、目が光って痛い。

大理石と、ダイヤモンドが混ざった床だ。

なんて豪華な床だ。

ハイテク機械の持ち主は、よほどの金持ちか。

そう、考えるしかないだろ?

研究した金で、作った?

それならば、あの研究室、この巨大な船のつじつまが合う気がする。

えっ?そんな気がするのは俺だけ?

まぁ、いいさ。

とにかく、ここを早く出よう。

俺の武器は、矢。

矢では、鉄格子は破れないよな。

何かで、鉄格子を斬る……硬いから先に刃が痛んじまう。

ア"ア"!!

もう、どうすればいいんだ。

助けに来てもらうなんて、国王に怒られる!

「「「守るはずのお前が、守られるとは何事じゃー!」」」

俺、死刑だ。

他の方法を探さねば。

そうだ!南京錠を開ければいいんだろ?

何か、針金のような物があれば開けられる。

牢屋のあちこちを見渡す。

しかし、あるのは鎖や、屍。

針金のような細い金属の様なものはどこにもない。

では、どうする。

ふと、思いついた矢で鍵を開ける、

なんていう考えは馬鹿らしくてすぐ打ち消した。

さぁ、どうするべきか。

考えてばかりで、何も行動に移せないではないか。

頭を抱える。

夕食でも、出ないだろうか。

頭を使えば、腹が減った。