ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.212 )
日時: 2015/04/23 20:33
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)


「腹減った。」

革手袋を、噛みながら頭の中では、食事の風景を思い浮かべる。

テーブルクロスが敷かれた茶色の丸い机の上に、美味しそうな料理が鎮座する。

しかし目の前の、血のスープは気色悪くて食べられるわけがない。

見るだけで、レンはめまいがした。

噛み続けた手袋は、唾液で汚れている。

しかし、今やそんな事は気にならなかった。

何か、食べたい。

その思いのみ、膨らんでいく。

「ヴヴヴヴヴ………」

うなり始める体。

限界が来ていた。

水も、食事も一切取らず、数時間。

体は、もう悲鳴を上げている。

(何か、くわねぇと。体がモタねぇ。)






外____

「痛い、痛い………」

痛がるミオウ、見ているだけで辛かった。

僕は、_____ライトは、ミオウを敵から守る、それだけしか出来ない。

「ミオウ、大丈夫?ミオウ、病気?」

俯いていたミオウが、すぅーと顔を上げた。

蒼白となった肌は、不気味に感じる。

「ミオウ、大丈夫?」

襲ってきた敵を、足で払いながらミオウを見守る。

ミオウの金色に近い髪の毛はストレスからか白く、濁った色になってしまった。

(こんなの、ミオウじゃない………)

「ミオウ、ミオウ、大丈夫だよ。レンは、生きて帰ってくるから。」

綺麗事ばかり並べた言葉は、自分で聞いていて最悪だと思う。

なんの、励ましにもならないのに……

「ミオウ、大丈夫だから!元気出して!」

けれど、他に何を言えばいいんだ!?

ネガティブな言葉を発し、ミオウをまた苦しめるのか?

そんなの、できるわけない!

(レン、お願いだよ!
早く、あいつを倒してくれ!ミオウを、"救う"ために……)

ライトは、心の中で叫んだ。

(ミオウを、救ってくれ!)





レンは、意識が遠のいていくのを感じ取った。

体の、体温がドッと下がり、足が冷たくなる。

(俺、死ぬんだ……)