ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.214 )
日時: 2015/04/27 19:46
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)


紅サイド_______

「俺、このままどうしよう。」

船にへばり付いたまま、船のゆくまま進んでいる。

中への侵入は、不可能そうだし……

俺、困ったな。

まぁ、しっかし夜の風はつめてぇ。

コート1枚じゃ、寒すぎる。

コートの小さな隙間から、冷気が流れ込んでくる。

「あー寒っ」

早く、中へ入りたいもんだ。

中へ入れば、ストーブかなんか、あるだろ。

早く、あたりてぇ。

手も、かじかんで来やがった。

このまま、力尽きて落下するのも時間の問題。

「急ごっ」

先の見えぬまま、よじ登り始めた。

ガコンガコン、と鉄が鳴る。

コートが風になびき、バサバサうねる。

(入り口は、何処だよ……)

ふと、何気に右方向を向いた時、何かが視界に入った。

何か、生き物………

緑………のドラゴン!?

ん?ドラゴンといえば、『異国の姫』。

ミオウじゃねぇか。

こんな所で、再開できるとは!

なんか、深刻な顔してるが……?

紅は、入り口探しを忘れミオウの方向へ向かい始めた。

「おぉい!ミオウ、ライト!」

紅は、嬉しさのあまり叫んでいた。

久しぶりに、仲間に出会った。

「紅さん!」

紅に、気が付いたミオウが笑顔を向けた。

作り笑いのため、顔が全体的に引きつっている。

紅は、気がつかないフリをした。

また、厄介な事になるのはごめんだからな。

「ん?ミオウ、ライト………ほら、あのチビは?」

「レンですね_____」

また、ミオウの表情が曇った。

(レンは、ミオウにとって禁句だったか。)

少し、反省しながら苦笑した。

「レンは、あの機械の中にいます……」

えっ!?俺より先に、アイツ潜入してんのかよ。

てか、なんで?好奇心ってやつ?

「レンは、私を守るためにあの中へ入ったのです____」

‾‾‾ミオウに、一通り説明をしてもらうと紅は、口の端を吊り上げた。

「ふぅん。面白そーだな、俺も、行ってみようか。」

やはり、紅は行く気のようだ。

「紅さん、危険です。ねぇ、ライト。」

ライトは、コクコクと居眠りをしていた時に話しかけられ、
寝ぼけ眼のまま語り始めた。

「ふわぁ。えっとね、そのぉ〜ふわぁ。
あのね、人攫いぃぃぃふわぁ。
ミオウ、僕眠いよ。その話は、また後でね。」

ライトは、最後に大あくびをすると体を丸め、頭を埋めた。

「ちょっ!ライト!ライトが話してくれないと、私分かんないよ!」

ミオウは、顔を真っ赤にしてライトに叫び続けたが・・・

「・・・」

耐えきれず、紅は口を開いた。

「ミオウ、ライト本当に知ってるのか?人攫い集団の話。」

「知ってますよ!こないだ、私に話してくれたんです!」

ミオウは、リンゴのように真っ赤になった。

(なら、ミオウが話せばいいと思う……俺は。)

「もう、仕方ありませんね。私からお話いたします。」

(結局、話すのかよ!)

「人攫い集団は、お金持ちの家の娘や、なんだっけ………」

(出だしは、まぁまぁだったな。)

「……とにかく、富裕層、半魚人、人魚、小人、巨人・・・などなど様々なジャンルの人間を攫い、売りさばくのです。」

「へぇ。」(アレ案外、説明上手いじゃないか。)

「そして、値段は人魚が高値で売り買いされます。まぁ、100億くらいでしょうか。そこまで、高くないですね。」

(姫!金銭感覚鈍ってるぞー!さすがだなー)

「次に、巨人が50億程、
わたしは、どうやって巨人を攫うのか分かりませんが。」

(そこが一番気になるとこだぁー!巨人の攫い方おしえろー)

「まぁ、話すと長いのでここからはダイジェストで。」

(ダイジェスト、最初からやれば……)

「人攫い集団売買価格一覧表」

●人魚 約100億
●巨人 約50億
●半魚人 約2500万
●小人 約100万
●富裕層 約50万
●その他 約0〜49万

「攫い方」

まぁ、時によりますが大体の場合不意打ちです。
護衛など、警備が薄くなった時を狙います。
戦闘になった場合、2班に別れ、戦闘に夢中になっている隙に仲間がさらいに向かいます。その後、撤退。以上。目標10分以内。時間をかけないこと。

足を斬り、逃げられないようにするのがコツです。
そのあと、手足を縛り袋に詰めます。
袋の口は、出れないよう鉄のロープで縛ることをお勧めします。

巨人の場合、大量の犠牲者が出ます。
あらかじめ、ご了承の上確保に向かう事。
巨人は、背が高い分有利なので足から崩します。
足を崩し、数段低くした後確保です。




「こんな感じです。
私の場合、約50万円で取引されます。
一般市民の皆様は、最高49万辺りで取引です。
紅さんの様な、剣術などを身につけていると+1万円程に。」

「剣術、そこまで金になんねぇな!」

ちぇっ、と紅はそっぽを向いた。

今まで、俺は1万円分しか努力をしてこなかったみたいな結果が出てる……

てか、この説明最後の方マニュアルみたいだ。