ダーク・ファンタジー小説
- Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.218 )
- 日時: 2015/05/03 12:27
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
凛花と、颯斗は消えてどうなったのだろう。
来夏は頭を抱え、その場にうずくまった。
「ついていけば良かった……」
後から、後悔するなんて馬鹿な私。
立ち上がり、空を見上げた。
「何処に居るの?みんな」
手を空にかざし、星を掴む真似をする。
他のみんなも、何処にいるのだろう。
私も、武器があれば闘えるのに。
無い物ねだり………か。
指を伸ばし、クルクルと円を描く。
「武器ねぇ………」
このゲームには、武器は用意されてないのね。
自分で、用意しろって事?
「嫌だ。そんなの、面倒くさいじゃない」
髪を結んでいた紐を外し、ポケットに突っ込んだ。
「本当………もう嫌。」
冬華は、地面を感情任せに地面を蹴った。
(ピストル……とかないかしら?)
指で引き金を引く真似をしながら、自分の射撃をする姿を思い浮かべる。
(あっ………支配人と被るか。)
ちょっぴり恥ずかしくなって、うつ伏せになる。
「馬鹿だなぁ……発想が幼稚な気がする。」
自分を責める。
(体を、武器に出来れば。変形………)
どこかで聞いたような話。
空想の世界だわ。
馬鹿らしい………
手首を掴み、締め付ける。
「甘やかしちゃ……いけない。強くなるんだから、何の取り柄も力もない私。
だからこそ、甘やかしちゃ………」
来夏は、フラリと立ち上がり歩き出した。
何だろう。
コッチに何かを感じる。
強い、電磁波_______
強力な何かがある。
走りにくいサンダルは投げ、裸足で走った。
(何だろう……何だろう。)
ダダダダダダダ…
走る……走る……
普段走らないから、体が鈍ってる。
動かない。体が、、、、、
目の前に、ユラユラ蠢く世界がある。
来夏は、無我夢中でその世界に飛び込んだ。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
滑り台のように、体が落ちていく。
「んん?」
体を起こせば、眩い閃光に目が眩んだ。
「何?」
薄っすら目を開ければ、機械の世界。
・・・・・・・・・・・・・・・・
来夏は知らないが、この船、
レンが乗り込んだ船のミニ版。
簡単にまとめると、ザコの船です。
レンの乗り込んだほうが、ボスがいる船です。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「なにこれ………」
来夏は、その風景に目を奪われてしまった。
機械に囲まれ、吐き気がする。
機械オンチの来夏にとって、地獄のような場所。
電子音は、耳を劈いてくる。
(うるさい……)
拳を振り上げ、機械に向かって振り下ろした。
ガコン
「痛っ。簡単には、壊れないか、水でもかければ壊れるかしら。」
来夏は、小走りに通路を抜け目の前の実験室へ飛び込んだ。
薬品臭く、頭痛がしたが我慢我慢。
実験室の真ん中のテーブルから「危険」と書かれた薬品を掴む。
そして、通路に戻り機械にぶちまけた。
シューーーーーーー
白い煙が上がり、機械は停止した。
後から薬品名をラベルで確認すれば、「塩素酸カリウム(KClO3)」
この薬品、火をつければ有毒ガスが発生する危険な薬品だ。
「キャッ。危険な薬品使っちゃった!
てか、普通に机の上にポンと置いてある方がいけないのよ。」
来夏は、逆ギレをしながら薬品の入っていた瓶を一旦足元に置き、
棚を開け手袋を出した。
「ん?これ、武器になるかもしれない。片付けようかと思ってけれど、護身用に持って置いてもいいかもしれない。あと、ライターかマッチを手に入れれば…」
右手に手袋をはめ、その上に薬品の瓶を置く。
そして、裏返し袋にした。
手袋の中に、瓶が入っている。
「私って、天才ね。あくまで護身用……ね。」
フフッと笑い、その場から離れていった。