ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.223 )
日時: 2015/05/07 17:16
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)



_______ 確かに、僕達は成長した。

強くなった

けれども、



上には上がいる




僕達がたとえ、どれだけ強くなったとしても、

勝てない敵も、いるんだ

レンも知っているだろう?


勝てない敵、分かりきっていても戦う

そうだね。レンはそうかも知れない

でも、僕は誰も失いたくないんだ

レン、君を失いたくないから僕は逃げるんだ

君を失ってしまえば、誰がミオウを守る?

僕1人ではダメだ

君は、僕の大切なパートナーなんだ

掛け替えのない、パートナーなんだ

君が居るから、僕がいる



「ライト、逃げるのは卑怯者がする事だ。敵に背を向けるなど……」

レン、君の言っている事はわかる

僕だって、辛いんだ

ミオウを助けなくてはならない

けれども、僕たちの命がなければ



______『助けることは出来ない』

僕達の命があってこそ、ミオウを救出できる

レン、分かってくれ


ライトは目から大粒の雫を溢しながら羽を動かした

ミオウ、君を助けたい……

それは、レンも僕も同じだ

僕は、『弱いんだ』


「ライト、どうしたんだよ」

ライトは、口を開いた

「君がいるから僕がいる。僕が生きているのは、君のお陰だ____」

レンには、ライトの言っている事が分からなかった

ライトは、どうかしちまったのか

「なぁ、ライト。闘わなければ前へは進めないんだ」

レンは、ライトの背中へよじ登り頭を撫でた

闘うからこそ、道は開ける

逃げてばかりの人間には何も神は与えてくれないんだ

与えるのは、頑張った人間のみ

「レン……僕は、僕は、弱虫なのかなぁ」

レンは、頷いた

敵を目の前にして逃げるなんて、弱虫のする事に決まっているじゃないか

「そうだよ!ライトは弱虫だ。敵を目の前にして逃げるなんて弱虫だ」

自分でも無意識のうちに心の声が漏れていた

「レン、そうだね」

ライトは、シューーーと小さくなった

慌ててライトから飛び降り、羽を掴んだ

間一髪のところで落下を防いだ

「あぶねぇだろ」

ライトは、何も喋らなかった

レンはライトの表情を確認しようと顔を覗き込んだ






___________ライトは泣いていた







(ライト……)

「______僕は、弱虫だ」