ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.231 )
日時: 2015/05/14 22:51
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
参照: アリスちゃん、応援してくれてありがとう!



緑は、トウジの肩に手を置いた。

「「なぁ、皆んなを助けに行きたくないか?」」

「ああ、そうだな」

トウジはコクンと頷く。

「「俺の使命は紅との決着をつけることと、仲間を守る事だ」」

だからどうした、という話だ。

「俺らは、まず何をすればいいんだ?俺なんか、なんの能力も無いし」

緑はトウジの手をギュッと握る。

「「お前に能力がなくても、俺にはある。俺がお前を守る!」」

俺、ヒロインかよ……

確かに俺には能力がコレッポッチも無い。

助ける側ではなく、完全な『守られる側』なのだ。

けれども、悔しい。

守る、なんて言われて仕舞えば完全なるヒロインタイプ。

俺だって勇者になりてぇ。

誰かを守りたい。

例えば、レンの様に。

姫を護る力を持った少年。

ヒーローだ。





俺は、トウジを助ける。

それが俺に出来る唯一の事。

トウジには他に出来ることはあるから戦闘に関しては、守ってもらってもいいと思う。

俺には他に取り柄が無いんだ。

守る、鬼を止め、時空移動、それしか無いんだ。

だからスマナイ。

守らせてくれ………



ドスン、ドスン………


あの恐怖の足跡が鳴り響いた。

ゲームSTART

恐怖のオニゴッコが開始だ。

トウジと緑は、平行に並んで走り始めた。

パタパタパタ

タッタッタッタッ

足音が聞こえる、3つの足音が

___________ドスン、ドスン

まだ、鬼は歩いている。

余裕がある様だ。

俺らは精一杯なんだが……

ギッギーーギッー

アスファルトの上を金属の何かが擦れる音がする。

ギッ、ギギーーー

なんだ、なんだ。

鬼・・・・金属・・・・引きずる・・・武器・・・・カナボウ

あの音の正体はきっと、金棒だ。

俺らを殺す気か(当たり前だ)

ギッ、ギギーー

ドスン、ドスン

音は少しずつ距離を縮めてくる。

ドスン、ドッ、ドッドッ

また鬼が走り始めた!

やはり余裕なのか跳ねている。

ドッドッドッ

パタパタぱた……

ドッドッドッ……ヒュン!

風邪を切る音が耳元まで聞こえてきた。

トウジと緑は蒼ざめた顔で音のした方向を________

鬼は真横をロケットの様に飛んでいた。

そして俺らに向かって笑いかけると上空へ向かう。


アイツ、何する気だ。

緑は鞘から刀を抜いていた

闘うつもりか、コイツ

トウジには信じられなかった

あんな奴を敵に回して大丈夫なのかどうか。

果たして勝てるのか。

全てが信じられなかった

「俺が、斬ってくる」

「んんっ!ちょっと待て、緑!考え直せ!勝てるわけがない!」

「諦めるのかよ。まだ、勝ち目がないわけではない」

お前なぁ……

トウジは緑にはいくら言っても無駄だと感じた