ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.237 )
日時: 2015/05/24 20:00
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
参照: ありがとうございます。ウワァ!嬉しいです。(号泣)

紅Stage

『アハハハ!じゃあ、せいぜい頑張るのよ』

白い仮面の女は、手をヒラヒラさせている。

無駄に多い脂肪の塊が、ブルブル揺れる。

後ろで束ねた癖毛は赤茶色。

古びた碧いドレスには、べっとりと血が付いていた。

女は、俺と蠍を実験室に残したまま笑いながら去っていった。

「おい!待て!まだ、話は終わってないぞ!」

紅は、アイツを呼び止めようとしたが____________

『あんたみたいな雑魚に付き合ってる暇なんてないし……』

ああ?俺が、雑魚だと?

アイツはその場を立ち去っていった。

「おいっ!待てよ!」

しかし、行く手を蠍が阻んだ。

「何してんだよ!」

俺は、蠍に向かい刀を振り下ろした。

グサッ………

蠍は頭を刺されたが、痛がる様子もない。

「鬼停止術、こいつにも使えるだろうか」

刀を引き抜き、それを蠍の頭に当てる。

そして、呪文を唱え始める。

「……死……蠍葬………」

最初のうちは、訳も分からず首を傾げていた蠍も中盤辺りで悶え始め、動きを止めた。

「んじゃ、行くか。」

あの呪文、テキトーに作ったやつだったけれどなー

まぁ、いっか。

紅は、アイツの後を追いかけた。

と言っても空中と地では大きな差が開いてしまう。

空中にはない、障害物も地にはあるからだ。

どれだけ頑張っても、あいつを視界の端に捉える事が精一杯だった。

柵を乗り越え廊下を走る。

ダダダダ!

「まてよ!」

なんで、アイツは浮いているんだ?

何の機械にも乗らずして………

もしかすると!

紅は、何かを閃き床にしゃがみ込んだ。

そして、掌を床に当て触る。

その次に、刀を抜き床に近付けた。

カチャ!

なんと、刀は吸い込まれる様に床に張り付いた。

(これで、謎は解けたかもしれない)

紅の考える宙に浮くトリックは、床が磁石になっておりアイツの乗っていた機械もまた磁石。

そして、S極とN極で磁石が反発した。

反発力を使った簡単なトリック………俺はそう思う。

反発、専門的には磁石を構成する
磁気双極子の時期双極子モーメントは、
磁界の中に置いた時、磁界の向きに一致する様な方向に回転力を受ける。

同極を近づけると、お互いが発生する磁界によって、お互いがそっぽをむく様な力を受ける。

これが、反発のトリック………機械が浮いたトリック。

案外簡単なトリックだったものだ。

この床の磁石が電磁石だった場合は、

どこかにスイッチがありそれを切ることで、

あの機械は浮かなくなるはずだ。

まずは、この近くにスイッチが無いか調べることからだな。