ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.246 )
日時: 2015/05/31 13:02
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: r9aqtm1a)

凛花達は、虹をずっと見上げていた。

2人の目には、薄っすらと涙が浮かんでいる。

「ハル………」

ハルは、思っていた子と全然違ったんだ。

人間の心なんて無い、酷い人間……そんな風に思っていた。

仕方ないよね、殺されかけたんだもん。

けれども、本当は良い子で平和を願っていた。

なのに………死んじゃったの?

手紙を握りしめ、その場にしゃがみこんだ。

涙が溢れてきて、止まらない。

「ゔわぁぁぁぁぁぁ!」

目をこすり、涙を拭き取ろうとするが、拭き取ってもまた、溢れてくる。

颯斗も、我慢しているようだけれど目に涙を浮かべ、唇を真一文字に結んでいる。

「ハル………何も知らなかった。ハルのこと、何も知らなかったよ」

私、ハルのお陰で色んな事気が付いたよ………

短い間だったけれど、もう友達だよね?






ミドリ&トウジ


全身黒尽くめの男と、呑気そうなイメージカラーオレンジの人間が並んで歩く。

全く釣り合っていないのだが……。まぁ、いいだろう。

全身黒尽くめの男が、ミドリ。紅の永遠のライバルである。

幼馴染であり、ライバルの碧を病気で亡くしている。

その辛さに、心を閉ざしてしまい昔とはキャラが変わっている。

昔は、ヤンチャな少年であった。

しかし、勉強はできたものの剣の腕は今と違いイマイチ。

大会では、入賞常連者であった。

今では、紅を上回るほどの力を持っているらしい。

まだ、全力を出し切っていない。

呑気そうな人間が、トウジ。(いろいろあって)セイという研究者の兄弟を亡くす。

とても、大切な兄弟だった。

自分はというと、セイの作り出した薬で生き返っているという、なんとも強運体質。

セイは、残念ながらトウジの分の薬しかなくアッサリ退場。

しかし、トウジの事が心配なのかコッソリと天界から見守っている優しい人間。

極度の心配性で、トウジが心配。


「次、どこ行きますか?」

トウジが、頭を掻きながら翠に問う。

「そうだな………北へ進むか。」

俺たちは、仲間との合流を目指しいつの間にか帰ってきた『風ヶ丘フロア』をさまよっている。

翠の間で進んでいるため、ほとんど足踏み状態。

なんども、同じ場所へ帰ってきている。

迷子の迷子の大人2人。

方向音痴も混じる馬鹿頭にナビを任せてしまったのが運の尽き。

さぁ、出られるのか?

「そうだ!トウジ、死んだプレイヤーを拝みに、どうだ?」

「いいな。」

このように、ロクに戦わず呑気に……

トウジを先頭に、神社を目指し歩いていく。

その時、

キーーーーーン

いきなり耳鳴りが始まった。(なんだよ……いって)

耳を抑え、蹲る。いきなり先頭に止まられ翠は、こけそうになる。

「どうした?トウジ」

翠が、心配なのか、興味なのか顔を覗き込んでくる。

「耳鳴りがする」

?この能力は…………

この能力の元持ち主は……?あっ、あれは頭痛か。けれども、どこかが痛み始めるということは同じ。

アイツの能力が、再来したようだ。





______________そうだよな?『森山ミミ』