ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.248 )
日時: 2015/06/03 20:59
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: r9aqtm1a)

紅は、一歩下がり刀を布で拭き汚れを取り除いた。

(さっさと、片ずけねぇと)

蜘蛛のような生物は、触手を伸ばし紅に襲いかかる。

「負けてたまるか!」

一本の触手の上に乗り、反対側の触手を切り落とす。

そこから、飛び上がり頭の上に立ち目玉に向けて刀を振り下ろそうとした時、

いきなり、その生物は分裂を始め紅は、振り落とされる形で床に着地した。

赤黒い光と共に、生物は蠢き2、3、4………と何体もの体に分かれていく。

「キモっ……なんだよ、コイツ」

着地に失敗し、どうやら足を痛めたようだ。激しい痛みが体中を襲う。

っ……これしきの事で、俺はダウンしねぇぞ。

刀を構え、呪文を唱える。本来は、鬼に使用する呪文だが細かい事は言ってられない。

ほとんど、同じようなセリフを繰り返しながら意識を刀に集中させる。しかし、生物、Xと呼ぼう。Xは、何事もなかったかのように触手を紅に伸ばしてくる。

うっそだろ!?

ありえねぇ。この術が効かなければ俺は、アイツを倒すことはできない。俺の勝率99%が、今現在38%辺りまで下がっている。

勝ち目なんか、もうこれっぽっちしか無い。

いや、もうこれっぽっちもない。

ほぼ、0だ。こうなれば、最後の手段。自らの命を犠牲にする確率が高い技。これが効かなければ、俺の人生はそこまでだ。

俺も、この船にさえ入らなければ生きる事も出来たかもしれないが………

しかし、どの道このゲームの中で死ぬんだな。

刀を振り、刃の先に炎の塊を作りだす。

_______爆弾だ。

俺は、コイツと一緒に自爆する。そうやって、この船ごと吹っ飛ばし皆に及ぶ被害を数パーセントでも減らす。

これが、どうやら俺の最期の仕事になりそうだ。(今まで、ありがとな。皆んな)

俺が、生きることが出来る確率0%。

「さぁ!バケモノ!お前もオワリダ」





「颯斗、紅が危ない」

凛花は、千里眼を使っていた。紅の自爆行為の発言を聞いていたのだ。

このままでは、紅の命が危ない。

「颯斗、紅が敵と一緒に自爆する気!」

それを聞いた颯斗は、一瞬戸惑った表情をしたが………

颯斗は、羽を出し凛花に向け笑顔を作った。

『助けに、行くだろ?』

「うん!」

颯斗の上に乗り、千里眼を発動させる。どこ……くれない。

紅の姿は、あの船の中で捉えている。しかし、詳しい船の位置がわからない。

方角も、不明。しかし、一つだけわかること。その地域も-----夜-------なのだ。

この近くのステージの可能性が高いと思うのだが。

船が移動しているため、なかなか詳しく位置はわからない。

もっと、力を鍛えなければ。

目を瞑り、紅を思い浮かべる。黒いコート、黒……赤い髪の毛………赤い目。

紅、どこにいるの?