ダーク・ファンタジー小説
- Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.252 )
- 日時: 2015/06/09 18:09
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: r9aqtm1a)
紅を探して飛行中だが、まだ確かな情報が入ってこない。
紅を、助けなければ。
まだ、間に合っているだろうか。
死なないで、紅。
まだ、死なないでよ。
みんなで、犠牲者を出さずに私はクリアしたいよ。
もう、目の前で人が死んでいくのは見たくない。
(ミミ、守れなくてごめん……)
あの時、ミミも一緒に無理矢理でも連れ出すべきだった。
なのにあの時、1人で逃げ出してしまった。
ユズリも、最期に会えなかった。なぜ、みんなバラバラだったのだろう。
あの時、もし近くにいてあげる事が出来たならば……
後悔が、自らの体を蝕んでいく様な気がした。
前を向かなければ、いけないのだけれど。
その時、颯斗が叫んでいた。
目から溢れかけていた涙が停止する。
その光景を目の当たりにした瞬間、すべての時間が止まってしまった様だった。
_______________________私には、力がない___________________________
そう、言われた様な気さえした。
私の願いは届かなかった。すべては、目の前の光景が…………………
目の前で、紅の姿を捉えていた機体が爆発を起こしていたのだ。
よくよく、嗅いでみると焦げ臭い匂いが漂っていた。
嘘だ……紅、逃げてくれてるよね?
黒焦げになった機体からは、遺体がボロボロと落下していった。
皮膚がただれ、赤い人間が雨の様に落ちていく。
すべて、紅がヤッタノ?
あれは、紅が倒して捨てているのよね?
それとも…………他の奴?
凛花は、颯斗にもっと近づけるか問うた。
「行くのか?」
凛花の意思確認をしたのち、機体の真下にまでやってきた。
そこには、大きな穴が開いておりそこにいたのは……
紅ではなかった。仮面をつけた太った傷だらけの女だった。
「ヒッ!」
短く悲鳴をあげた凛花を一瞬、女は睨んだが、そのまま作業を続けている。
ドサッ、ドサッと死体を落としていく。
血が垂れ、死体に絡みつきながら一緒に落ちていく。
何体、死体を落としただろう。
約50体目の時だった。
黒いコートを着た男が女の手の中にいた。
赤い髪の毛の傷だらけの、片方腕がない男。
黒焦げの顔だが、一瞬で誰なのか判断する事ができた。
「紅!」
仮面の女は、凛花に喋りかけた。
「知り合いかい?」
涙を浮かべた顔で頷くと女は死体を投げるのをやめた。
そして、その死体を凛花達に向かって投げる。
「連れて行きな」
手の中に投げ込まれた死体は間違いなかった。
無残な姿での再会に自分の無力さを感じた。