ダーク・ファンタジー小説
- Re: 恐怖のゲームを始めましょう【オリキャ参加者募集】誰かぁ来て! ( No.26 )
- 日時: 2015/03/03 17:49
- 名前: みーこ (ID: wJ5a6rJS)
12月3日
ドスン、ドスン・・・
「鬼だ!逃げろ!」
「えっ!!」
クラッ
急に目の前が暗くなった。
(やばい!)
「おい!凛花!おい!」
バッーー凛花は、起き上がった。
ーーーーユッ夢?
ということは、今までのは全部・・・
凛花は、ホッと胸をなでおろした。
(ん?なんだか、いつものベットの触り心地と違う。)
辺りを見渡すが、やっぱり自分の部屋ではない。
ここは・・・
ここは、倉庫だった。
段ボール箱があちこちに積まれ山ができている。
ふと、見渡すと隣には、1人の男が横になっていた。
市村紅
「なんだ・・・まだ、この世界にいるんだ。」
何故か、安心する。
倉庫の窓の隙間からは、月明かりが差し込む。
いつの間にか、夜になって居たようだ。
まだ、3日しか経っていないがもう、1ヶ月逃げているような気分になる。
ギュルルル
3日間何も食べていない。
胃の中は空っぽ。
そのせいか、少し吐き気がする。
なんで、ずっと寝てたんだっけ?
エイヨウブソクかなぁ?
全然覚えてないや。
カツン
「ん?」
指先に、固いものが当たった。
その、『固いもの』の端に指を引っ掛け月明かりの当たる場所まで運ぶーー
「紅・・・ありがとう。」
目から涙が溢れた。
悲しくない、嬉しいんだ。
紅は、凛花が寝てる間に食べられる物を集めてくれていたのだ。
その隣には、白いカードが置いてあった。
『食べて元気になれ。全員で『現実』へ帰ろう 紅』
凛花は、そのカードをギュッと抱きしめた。
「うん・・・帰ろう。紅。みんなで。」
カードをポケットにしまうと食べ物を掴んだ。
「ヨモギに、アオジソ、アケビに・・・」
季節が違うものでも、なんでもありのこの世界はいつでもなってる。
「紅・・・食べたのかな?」
紅用に少し残しておくようにした。
凛花は、食べものを箱に戻すと紅の横に寝転んだ。
「紅、ありがとう。」
「ん。んん」
無愛想だなぁ。
面白くない。
紅、なんだかお父さんみたいだな。
全然血は繋がってないけど。
「紅、絶対逃げ切ろうね。」
「あったりまえだろ。グカァーー」
「おい、それ寝言か?」
紅って、ちょっとムカつくけどいい奴なんだよね。
「紅、好きだよ。」
「グカァァァァーー」
「・・・チッ!無視すんなよ、恥ずかしいじゃねーか。」
凛花は、舌打ちをする。
「グカァァァ、グカァァァ」
「おい、本当は起きてんだろ!狸寝入りしてんじゃねーよ。」
「んん、狸寝入りじゃねーよ!ガチで寝てたし。」
「逃げ切ろうね!絶対。」
「お前、さっきもそれ言ったよな?」
「大切な事じゃん。ね、父さん」
「・・・責めて兄ちゃんにしてくれよ。」
「ね、オジちゃん。」
「ムカッ。俺、何歳に見える?」
「35」
「まだ、26だよ。」
「ええええええええええ!まだ、ニジュウロクゥ!?」
「そこまで驚くか?そうそう、おじちゃんはヤメろな。」
「兄ちゃん、逃げ切ろうね!」
「おう!」
「ん?やっぱりしっくりこない。」
「じゃあ、紅にしろよ。」
「ノーマルだよ!?」
「別にいいじゃん。」