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ダーク・ファンタジー小説
- Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.267 )
- 日時: 2015/07/05 07:13
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)
______翠&トウジ
こちらでも、また戦闘が繰り広げられていた。闘う相手は、『鬼』
翠は刀を抜きトウジの肩を踏み台にして空中へ飛んだ。刀で鬼の目を突き刺そうとした時、背後から近付く手に気がつかなかった。グジュ…。鈍い音がしてトウジは目を疑った。
「みどりぃ……」
鬼は手の中を覗いた。ん…………?いない。確かに血の跡は残っているものの本体がないのだ。トウジは翠を捜す。しかし、どこにも姿が見えない。
「翠!」
トウジが大声で叫んだ瞬間、目の前の鬼は停止していた。翠の停止術だ!トウジは喜んだ。生きていたのだ。フードを直しながら翠が地面に着地する。シュタッ、という音と共に翠の姿が現れた。
「生きてたのか!でも、あの血は……」
翠は顔をクシャッと曲げて笑うだけで、答えを出さなかった。
刀の血を拭くと、翠は立ち上がりトウジの服を掴んで空へビュンと飛び上がった。
空には月が上っている。もう、夜か。これで、何度目の夜だろう。
何回、あの月を見ただろう。その月は、黄色くなかった。
「今日も、赤い月か」
トウジは呟いた。この世界の月は、いつの間にか赤色になっていた。
これが、何を表すのやら。まるで、血のような色をしている。
今にも、血が滴り落ちてきそうだ。
「さぁ、急ぐぞ!風ヶ丘からさっさと抜け出て、サポートに」
「地図もねぇのに、どう抜けるのやら」
ヤレヤレ、と翠は首を振って鞘に刀を収めた。
そして、ジャンプして空を駆けて行った。
鳥とすれ違いながら、風ヶ丘を背に仲間達を捜索に。
「絶対に、もう欠けさせないからな!」
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