ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.268 )
日時: 2015/07/07 07:22
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wIulFSp9)


来夏&冬華


来夏達は、薬を掛けて回っていたのだが気が付かぬうちに薬品を浴びていた。

そのせいか、2重人格のうちの一人、冬華が狂い始める。

来夏は冬華を止めようとしたが、止まらなかった。

敵はもういないから、後は風ヶ丘に帰るだけなのに。

冬華の前髪に隠れた左目は、赤く光っていた。

「ああああああああああああああああああああああ!」

幻覚や、幻聴に襲われていく。

苦しくなっていき、何かに助けを求めようとしたが、何もない。

身体が燃えているかのように熱く、痛い。

「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!」

視界には、幻覚(ゾンビ)が映っていた。

今まで、倒した奴らのゾンビだ。


「また、殺そう!」
「だめだよ!」
「早く殺さないと!」
「あの人たちは、生きてない!」
「また殺さないと、本体(体)が危ない!」

自分の中の二人が言い争っている。

「ぅぅっぅヴヴヴあすあうあ!」

来夏は、残った薬品を幻覚に向かって投げつけていた。

しかし、それは冬華が作り出した幻覚であるため、実際には存在しない。

「ぎゃああああああああああああああああああ!」

幻覚を見ていた来夏は、突然の出来事に何が起こったのかが理解できなかった。

熱い、苦しいぃ、しんどい、痛い____

皮膚が焼け爛れていく。

皮がめくれて、中の肉が覗く。

「なぁ!?なにこれ・・・」

自らが作り出した幻覚に、かけた薬品は帰ってきた。

本来存在しない幻覚にかけたから。



周りから見れば、来夏が自殺したようにしか見えなかった。

周りには、生存者はいないが・・・

来夏はその場に倒れ、息を引き取った。



いつの間にか、来夏もトンネルを歩いていた。

「どこ、ここ」

トンネルを駆け抜けた時、前方に紅やミオウがいるのが見えた。

「みんな!」

来夏は二人の手を取り、トンネルを飛び出した。