ダーク・ファンタジー小説
- Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.271 )
- 日時: 2015/07/07 13:52
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)
レンは、空を駆け回りミオウを探していた。
どこにもミオウの姿は見当たらない。
どこだ……どこだ……
どうして、こんなことに!!!!
もっとミオウを監視していれば、こんな事にはならなかったのに。
ライトは今、何をしているだろう。
仲間の身の安全を祈りながら、レンは空を見渡した。
ミオウを攫った後は、そのまま連れて移動する事は不可能だろう。
どこかに隠さなければ、荷物になる。
となると、建物があるはず。
そして、そこまで遠くには行かないはず。
などと、レンは推測を立てながら移動していく。
見つかりにくいのは、部屋が多いような場所だろうか。
隠し扉などのある、屋敷も監禁であれば良いかもしれない_____
レオウは、視界の端にレンを見つけその場に停止した。
鳥に指示を出し解散させた。羽を残しながら鳥たちは山の方へ去っていく。
空中をレオウは歩き、レンの元へ駆け下りていった。
途中で、足を止め声を出す練習をする。
「あーあーあーあーあー」
よし、バレない。これで、レンになんとか嘘をついて誤魔化してまた、ゲームを再開させれば良い。ミオウの服を奪う際、レオウはミオウの日記を奪っていたため大体の事は理解している。
「レン!」
どこからか、ミオウの声がしてレンは振り返った。そこにはミオウが立っていた。少し汚れたドレスの埃を払いながらミオウはレンの前にやって来た。
「心配かけてごめんなさい。なんとか逃げてきたの!」と用意していたセリフを行って一旦安心させる。「良かった」とレンはレオウを抱きしめた。そして、レンはレオウと共に一度地に降り立った。
「良かった!無事だったんだ、怪我してない?」
……ミオウは、いつもレンに心配して貰ってるんだ。って、これからは私がミオウなのよ!ミオ……レオウは死んだの!
「行方不明になってたから、探してたんだよ」
「そっ……そうだったのね。えっと_____」
レオウは言葉に詰まった。ミオウと共に行動をしていたドラゴンが思い出せない。名前は、なんだったっけ?これをレンに聞いたら疑われるかもしれない。死ぬ間際に色々聞いておくべきだったわ。
と、反省しながら続きを話す。
「そのぉ____」
すると、レンは「あっ!」と理解してレオウに謝罪する。
「ごめん、ライトだよね?さっき俺だけ分かれて来ちゃったから……。すぐ呼ぶよ!」
レンは口笛で、「ヒュルルー」と鳴らしライトに合図を送った。その音は、木霊のように何回も何回も繰り返され、やがて空の彼方へ分散していった。その時、雲の割れ目から何かが飛び出してきていた。緑色の体の子供のドラゴン。肩乗りサイズの小さなドラゴンだ。しかし、やって来たのはライトだけでは無かった。
一際大きい赤いドラゴンが、大きな口を開けて今にもライトを食べようとしている。レンはライトに叫んだ。「そのドラゴンは!?」と、するとライトは叫び返す。レオウは耳を疑った。今、あのドラゴンが喋った??嘘でしょ、と自分の中で幻聴だと言い聞かす。
「レン、ごめんね。レンがいなくなったの知らなくて、探し回ってたらおっきいドラゴンに見つかっちゃって………」
ライトに続き、大きな赤いドラゴンが炎をはきながら着地した。地鳴りがしてレオウは危うく転びかける。レンはレオウを端に寄せて置いてから、矢を放った。しかし、その矢は虚しくもドラゴンに跳ね除けられてしまう。
「くそっ!」
レンはもう一回矢を放った。が、これまた失敗。どの矢もドラゴンが手で跳ね除けていた。レオウはその時、自分にも危険が近付いていると察し、小さく呟き武器を召喚する。レオウの武器は、鎌だった。草刈り用の鎌ではない、死に神のような鎌。もしレンが殺られてもこの、「対ドラゴン製」の鎌なら倒すことができるのだ。今、先に倒すこともできるがこの状況をまずは楽しみたかった。
ライトは必死に巨大化を続けたが、ドラゴンに勝る大きさにはなれない。、まだ、子供だから。さすがにレオウにこの先の勝敗が見えてきて出て行かずにはいられなかった。岩陰からレオウは飛び出して、何かを呟き空を走りドラゴンに向かって鎌を振りかざす。その瞬間、ドラゴンは姿を消していた。この対ドラゴン製の鎌はドラゴンを消す、という力を持っている。
この鎌があれば、ドラゴンに限るがその存在を無かったことにできる。結構優れもの……のようで優れものでもない。なぜならば、「ドラゴンに限る」からだ。
レオウの居た、アヌール王国であれば頻繁にドラゴンが出ていたがこの世界では御伽話の住人として扱われるため、出現率が極めて低い。先ほどのドラゴンはレアモノである。
「ミオウ……?」
しまった、ミオウの使えない技を……!これではバレてしまう。