ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.282 )
日時: 2015/07/14 17:52
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)


レン達は、王宮で傷の手当てを受けていた。とくに、レンは傷が深く治療に時間がかかってしまった。レオウはミオウと闘ったものの、致命傷や大きなな怪我ははない。というより、重傷なのはミオウだろう。

「あのまま、死んだのかな」
レオウの頭の中に、シタイのミオウが浮かんでくる。血が流れ、動かなくなったミオウが。それはレオウのトラウマになりつつあった。
家族が死ねば、幾ら敵でもこんな感情になるのか……。とレオウは知った。

「姫様、お着替えをされては如何ですか?」
メイドが着替えを持って、いつの間にか、レオウの前に立っていた。黒いワンピースに、白いエプロンをしている。
「え!!……そうするわ」
さっきまでの「死」というキーワードが入った言葉を聞かれてはいないか、心配になる。焦りながら着替えを受け取り、メイドを追い返した。

しかし着替えはせず、ミオウのベットに腰掛けた。着替えはドレッサーの椅子に掛けておく。ベットには薄い卵色の天蓋が付いている。クッションは赤くて丸い物が5個置いてある。

ドレスをよく見れば、ミオウを斬ったために半分に分断されている。返り血を浴びたドレスは茶色く汚れていた。靴を見れば、ヒールが欠け歪な形をしている。
「酷い……格好」
あの時は、無我夢中でミオウの死を隠すことに必死だったが、今思うと怪しすぎる格好だ。(早く、着替えよう…)
レオウはドレスを脱ぎ捨て、床に放り投げ椅子に掛けた新しいドレスに着替える。薄いグリーンのドレスは金の糸で刺繍がされ、妖精が描かれている。

ドレスに体を入れ、レオウは欠けた靴を手に取りスタスタと早足で散らかった床を歩き部屋の隅の、窓の下のゴミ箱の廃棄した。そして、やっと落ち着ける。
ミオウのベットに身を投げ出し横になる。
「ふぅー」
体の力があっという間に抜けていった。そして瞼が重くなりクッションに顔を埋めながら眠りについた。


その頃、レンは。
怪我の手当てを終え、自室へ戻っていた。護衛隊の部屋は姫達とは違い、質素な物だ。壁は赤煉瓦が積まれ、電気は無くランタンが頼り。
ベットはまぁ、まずまずの物。

「つっかれたー!」
ベットに横になったのも束の間、すぐに起き上がり部屋を出た。体には泥やら血やら様々な物がつき、汚れている。洗わなくては____
廊下を歩き、突き当たりのシャワー室にレンは姿を消した。

そして、ライト。
ライトは怪物小屋に連れて行かれていた。召使いに担がれ、小屋に向かう。
「僕は、怪物じゃない!」
バタバタ暴れながら、ギャーギャー騒ぐ。
「ドラゴン、うるさい。黙って怪物小屋(MONSTERHOUSE)に入ってろ」
「違う!僕は護衛隊、第1期のライト・サーペント!」
ギャーギャー、騒ぐ。が、ライトは小屋に入れられてしまった。
「ここから出せ!」
「そんな風にうるさく言ってると、大天使ミカエルと聖ゲオルギウス連れてくるからな」

大天使ミカエルと、聖ゲオルギウスは竜退治の戦士として有名だ。うぅ、とライトは唸りながら怪物小屋の隅に身を縮め座り込んだ。