ダーク・ファンタジー小説
- Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.283 )
- 日時: 2015/07/16 09:06
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)
「ったく、口喧嘩から殺し合いに発展って……どれだけ知能が幼稚なの?」
その言葉に俯く二人。颯斗はもう、人間の姿に戻っていた。翠も刀を鞘に収め正座して話を聞いている。
「いやぁ、狼の悪口を……」
「だからって、殺しに掛かるな!」
ショボーン、と颯斗は頭に乗ったままの狼の耳を撫でながら小さくなる。
「向こうが殺しに……」
「馬鹿、同じ事しか言えねぇのか?お前ら」
腕を組み、鬼の形相で睨んでくる。返す言葉も無くなり、只々話を聞いていた。
話が終わると、凛花は歩き紅の遺体の横まで行った。そしてそこで紅の骨を取り、手に握った。大腿骨の骨の様だ。
それを持って此方へ戻ってくると、翠の頭をコツン、と叩き差し出した。
「ほら、紅もお怒りだぞー」
翠は笑いを堪えることが出来なかった。あまりにも面白すぎる。
「プッ、紅が怒るって____」
「じゃあ、みんなもう大丈夫だね?」
翠の笑顔を見た凛花は腰に手を当て、颯斗と翠を見た。そして手を動かし両手を二人の前に差し出す。二人は手に手を重ね、一歩を踏み出した。
「今から、アヌール王国に潜入します。ミオウや、レンに会えるかもしれないし」という言葉に希望を抱き、丘を越えて大地を抜け、川を越えて大きな壁のある城に到着した。
「案外、近かったね」
「10分くらいかもな……」
翠が体をワカメの様に揺らしながら、答える。ここが_______
「ここが、王宮なんだな。ミオウも居るのかな?」
颯斗は鼻の下を擦りながら壁を見上げた。壁の上には大砲がこちら側だでも30は置かれている。壁は大きいバームクーヘンの様に見える。
「よしっ!入るか」
壁に翠が穴を開け、颯斗が穴を削り大きくする。
「凄いね」
その時、背後から3人を呼ぶ声がした。そういえば、足りない……
「おーい!凛花、颯斗、翠!置いて行くなよ!気が付いたら誰も居ないし」
声の主は、天然素材100%、完全天然菅野トウジだ。そうでした、そうでした。
怪我をした為、休ませててその後、紅を火葬してからスッカリ忘れてました。
「休んでたのに……」
「ごめんなー」
翠は頭を掻きながらハハハ、と笑う。