ダーク・ファンタジー小説

Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.285 )
日時: 2015/07/17 11:08
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)
参照: とらちゃん、いつもありがとー☆

城内へ潜入すると、そこでも内乱が起きていた。刀がぶつかり合い、キーンという音が耳障りなほどに響く。

「レン達、本当にこんな所にいるの……?」
凛花は顔をグニャリ、と曲げて怪しむ。まぁ、無理も無いだろう。王族であれば、戦争中の国から離れた場所へ身を隠す事が多いためである。翠も「うーん」と唸りつつ中へ入って行った。

潜入した場所は、城の中の自慢の場所。中庭だ。しかしながら、庭の女神の彫刻は倒され地面で胴体で真っ二つに切断されていた。白い大理石の像は破片を飛ばしながら横になっている。

その横では王国軍と市民が闘っていた。王国軍は鎧を付けているが、市民は着けておらず、無防備な状態。結末は目に見えていた。

ジュチャッ……

そんな音がして、市民の体は地に崩れ落ちていた。胴体がバラバラに刻まれている。やはり、こうなったか。凛花達は王国軍に気が付かれぬよう、庭を走り宮殿に入って行った。硬い扉を開けた先の広間には警備がなく、簡単に潜入することが可能だった。

中はまだ荒らされておらず、綺麗な状態。廊下には赤いカーペットが敷かれ、その横には高そうな壺などが所狭しと並べられる。これを売れば、総額は幾らになるのだろう。などと想像しながら先へ進んだ。

途中で皆と別れ、バラバラに宮殿内を捜索することに。ミオウを探し出そう…。凛花は2階の廊下まで走り、一つ一つ部屋を確認して行った。しかしどれも、使用人の休憩室などでミオウの姿は無かった。

颯斗は1階の捜索をしていたが、部屋はどこも空っぽで荷物一つなかった。市民軍に盗まれたのかもしれない。潜入した形跡はなかったはずだが…。1階のすべての部屋を確認し終えると、階段を上り凛花達に報告を済ませた。報告を終えたとき、3階から声がした。翠だ。

翠は3階へ上がっていた。3階は寝室などで奥の一番大きい部屋が国王。どの横の白い扉に金の飾りが施された部屋は女王の物。そしてそこから、4部屋離れた場所に子供部屋があった。

翠はドアをノックしてドアノブに手を掛けた。
ガチャ……
扉は鍵が掛かっておらず、開いていた。中はピンクや城などを基調とした『ラブリー』な感じの部屋だ。姫の部屋かな?その時、目に何かが飛び込んできた。金髪のまだ幼さが残る少女。華奢な体型に薄いグリーンの妖精の刺繍がされたドレスを着た少女だ。

「ミオウ……?」
翠は目の前の少女を見つめた。少女はベットから体を起こし、こちらを見た。青い目が翠を見つめる。金髪の髪を、開いた窓から入る心地よい風になびかせながら翠を睨んだ。その瞬間、翠も背筋は凍り寒気に襲われた。しかし見つけたからには、報告を。翠が踵を返し、凛花達の元へ戻ろうとした時、

「待って」
と、呼び止められてしまった。その声は、怒りが混じったような低い声。翠の体は意思に反して立ち止まり、振り返ってしまった。
「なんで、戻ろうとするの?」
翠の頭の中にはハテナが浮かぶ。(なんでって、ミオウを見つけたから報告に行くんじゃねぇのかよ)と、心の中で叫びながら少女を見た。
「もしさ、何かに気がついたとかなら言ってよ」
「え?」
「何か、違和感を感じたならば言ってよ。答えてあげる」
レオウは「お前はミオウじゃないだろう」と言ってもらいたかった。