ダーク・ファンタジー小説
- Re: ● 凛花と恐怖のゲーム。〜人生ノ崩壊!〜 ● ( No.286 )
- 日時: 2015/07/18 14:04
- 名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: pmOIN4oE)
「違和感?特にねぇけど」
期待外れだ。しかし、このままではコイツも帰れないだろう。
「何か、本当に感じないのか?」
「まったく、普段のミオウだ」
どいつもこいつも、何も気付きやしない。幾ら似てるからって、共にゲームを進めてきた人間が分からないのか。
「私は、ミオウじゃない」
翠は顔を顰めた。
「私は、ミオウの姉妹」
「ハァ?」
翠は訳が分からない、と言うように肩をすくめる。
「私は、レオウ」
翠の顔が変わった。ヘラヘラしていたのに、急に真剣な顔つきになる。
「どういう事だ」
「私は、今ミオウになりすましてこの国にいる。本名はレオウ。昔、王に生贄とされて殺されかけた姫」
翠はミオウの居場所を問う。すると、
「ミオウは死んだよ。私のアジトで。ミオウが襲ってきたから正当防衛かな」
「ミオウを、殺したのか?」
「うん。そうだよ。私はミオウを殺してミオウに成りすました」
かチャッ、と翠は刀を抜く。
「じゃあ、敵でいいんだな?」
「・・・・好きにすれば?」
レオウは笑う。口が吊り上り、三日月の形に変化する。シュッ、と刀を抜くと翠は鞘を床に置き、刀を体の前に構えた。
レオウは歌を歌い始める。耳が痛くなる歌を。翠は飛び出していた。刀を体の横へ持って行き、レオウの元まで飛ぶ。
そして刀を振りかざそうとした時、黒い塊が翠を壁に押し飛ばしていた。
「なっ………」
床には、黒い羽が散乱している。見上げれば、たくさんのカラスが宙を舞っていた。コイツ、カラスを呼んでいたのか。壁に打ち付けられ、痛む体を起こし翠は起き上がった。
「やるな」
「フフッ。そっちこそ、やるじゃない。普通なら頭打って気絶するのに」
目が細く、黄色く光るレオウ。只者ではない。翠は刀を振り、刃の先に大きな炎の塊を生み出した。これは、紅が自爆した際に創り出した爆弾である。しかし、翠は自爆する気は無かった。
まだ、死なないつもりだ。紅と共に故郷に帰り、碧の墓に行くまで。そこで、俺は死ぬんだ。ゲームの結末を話し、死ぬんだ。レオウは手をブンっと振り、大きな鎌を召喚した。
「息の根を止めてやる」
鎌を振りかざし、翠の体に当てようとするが、当たらない。
「すばしっこい奴」
今度は鎌を翠から遠い場所で振り、斬撃を飛ばした。ビュンッ、と白い斬撃が翠に向かって飛んでいく。しかし、全て刀で受け止められてしまった。
「チッ」
翠は刀の刃をレオウに見せながら、舌打ちをした。
「さっさと、くたばれ」
レオウは鎌の棒で床を叩きながら呟いた。