ダーク・ファンタジー小説

Re: 凛花と恐怖のゲーム!!最悪の1ヶ月間【参照600突破!!】 ( No.68 )
日時: 2015/01/21 18:01
名前: みーこ (ID: xJUVU4Zw)

足は、意思に反して歩き続ける。

止まらない。グングン進む。

体は、ヘトヘトでも足だけはピンピンして進んでいく。

「どこに行くんだろう・・・」

操り人形に自分がなった様な気がした。

(もしかして、本当に・・・)

だんだんと、見覚えのある道になってきた。

いつもの通学路だった道ーーーしかし、今は血が地面に飛び散った痕だけが残る

寂しい道。

パン屋を過ぎて、英語教室があって、あっ!私達の学校もある。

もう、すぐ、自分の家だ。

「家に何しに・・・」

ピタッと足が止まった。動かそうとしても、ピッタリ地面に張り付いてしまって

いる。

「凛花!こっち!」

家のヘイの向こうから声がした。そして、

いきなり、名前を呼ばれ、おまけにこっちへ来いと手招きをされた。

「誰?」

「俺だよ!俺!」

・・・この会話、前にもあった。はっきりと覚えてる。デジャブだ。

前のこの声の主は、田村颯斗だった。でも、颯斗は死んだ・・・

「颯斗だよ!」

颯斗・・・?動揺が隠しきれなかった。

涙が溢れ、顔がグシャグシャになった。

「なんで・・・なんで、ハヤドが生きでるの?」

「泣くな!俺は、死んでなんかない!あれは、ミ・セ・カ・ケ!」

「ミセカケ?」

「鬼になんか、俺は負けねぇ。見せかけだよ。」

「ミセカケ?」

「ペンキが、倉庫にあったからさぁ、潰れたふりしてみただけだよ。鬼も、騙されたみたいだし。デモサァ、お前らがサッサと逃げたのは計算外だったぜ。」

「だって、怖かったもん!」

「ゴメン。仲間は?」

「みんな、嫌い。」

「なんでだよ。」

「自分勝手だもん。」

「そんな事ねぇだろ?」

確かにそうだ。みんな、守ってくれた。助けてくれた。

「な、だから一緒にみんなの所戻ろう、な。」

「うん。」

颯斗に言われると、否定できない。

「みんなは何処かな?」

「・・・知らない。」

「おう、公園にいるじゃん!」

「えっ!?」

まだ、動いてないの?なんで?てか、何で分かるの?

「俺、標的がどんなに離れていても見えるんだよ。生まれながらかな?」

「そうだったんだ・・・」

「お前をあいつらは、待ってるよ。行ってやれよ!」

「うん。」

颯斗は、いつも明るくて羨ましい。

凛花は地面を蹴って走り出した。

さっきまでとは、全然違う。体が軽い。

颯斗は、ゆっくり後ろからついて来ていた。

公園は、いつもより近くなったように感じた.

そこには、みんなの姿があった。

「みんな、ごめん!自分勝手で、ワガママで。」

「顔上げて.」

ライカだった。

「私も悪かった。嫌な思いにさせてごめん。」

「みんなは悪くない!ごめんなさい。」

顔を下げた時、後ろに颯斗が立っているのが見えた.

「颯斗!」

「俺、こいつの幼馴染の田村颯斗っす。これから、よろしく。」

「みんな、私達の事、よろしく。」

「あったりメーだろ?」

軍人帽に・・・

「紅!Bグループがなんでここに?」

「今から、俺たちもここ使うんで.」

「リーダー、凛花。」

「えっ!?」

「やっぱ、リーダーは凛花だな。」

「セイ・・・」

「Aグループ、リーダー中藤凛花です。」

公園に、拍手が響いた。