ダーク・ファンタジー小説
- Re: ぼくらときみは休戦中[短編・作者の呟き] ( No.32 )
- 日時: 2015/05/06 14:21
- 名前: 利府(リフ) (ID: ktFX/uOB)
GWの間に某刀集めゲームのおじいちゃんにはまってる中二の愚かさよ
先生…とうらぶが…面白そうです……!!
18歳になったら、まずじいじ難民の辛さを味わいたいですねハイ
下はおじいちゃんの「お」の字もない駄作です、すいません
今、私は車に乗っている。
「どうなさいました?」
隣から問いかける声が聞こえて、とんとんと肩を叩かれ、揺さぶられるが。
私は構わないで下さい、とだけ言ってまたくらくらする脳内に身を委ねていく。
体に血が通っていないような気分だ。
私がこの車に乗ってから、一緒に乗っている人間は誰も「降りますか」とは言わなかった。
ただ、さっきみたいに心配の言葉しかかけず、私の意識が飛びそうになれば
こうして留めに来る。
何故そこまで過保護なのか。
私の身体に外傷はないはずなのに。
隣の車道で霊柩車が駆けていく。
もしかしたら、私はあそこに乗る予定だったのかもしれない。
そう考えた後、馬鹿らしいとこっそり一人で自分を嘲った。
向こうの窓はカーテンか何かで黒く染まっていて、中を窺う事は出来ない。
体を上げようとするのは不可能に等しいし、私は静かにしている事にした。
何故だろう。
ここにいる事に違和感しか持てない。
自分は多分何らかの出来事によってここに横たわり、多分今から病院に行くのだ。
それは理解している、否、させようとしているはずなのに。
頭に、雑音や呻き声が流れ込んできているのだ。
誰のかは知らない声が。
助けてくれ、助けてくれ、死にたくないと。
私だって死にたくはないのに。
自意識的に叫んでいるのではない、と自分で悟り、何とか止めようとする。
少しずつ、少しずつ声が治まっていく。
しかし、その逆に。
雑音が明瞭になっていったのだ。
「■■、■■■が、……で、………」
「……!」
聞こえるのに聞こえない部分があって、私は顔を歪ませた。
それが一番嫌だ。意味が分からない。
「■■、■■■が、…じで、…っ…よ…」
「………ら!」
笑顔で誰かが言っている。
その言葉を。
脳裏で、ずっとそれが響いている。
自分の顔色が悪い事に気付いたのか、隣にいる男性がまた呼び掛けてきた。
それを私は聞こうとはしない。
「■■、■■■が無事でよかったよ」
ようやく聞こえた、その言葉。
それが愛しい人の言葉だったのだろう、か。
私には分からない。
ここにいる理由も、この言葉を贈ってくれた人も。
だけど。
「大好きだったんだ…」
喪失した自分の記憶をどこまでも恨みながら、私はもう一つの言葉を聞き取った。
さよなら
(あなたの囁きだけを愛せるのなら、それが私にとっての幸せなのだろう)