ダーク・ファンタジー小説
- Re: ぼくらときみは休戦中[短編・作者の呟き] ( No.38 )
- 日時: 2015/05/30 19:48
- 名前: 利府(リフ) (ID: ktFX/uOB)
「この羽はあなたのためのものなの!」
井戸の中で佇む一人の女が、嬉しそうに私へ向かって飛んできた。
私の平たい胸に顔をうずめて、足を浮かせながらフードの奥で笑う彼女は、天使だ。
足元は冷えきっているというのに、彼女は私を井戸から上がらせる気はないらしい。
全体重を乗せられて、私は耐えきれずにバランスを崩して尻もちをつく。
結果的にマウントを取られ、水が跳ねる音が井戸の中に響き渡った。
「…いいかい、スカレィト。私にも羽はあるし、君の強さも承知してはいるが、
君には君が守るべき故郷があるだろう」
「それより大事なのがあなたで、国は二の次、十の次よ」
「冗談はよしてくれ、じゃないと君はただの恥晒しだ」
私は天使界に住む者だ。
しかし彼女は、長老からも絶対の信頼を置かれ、一番の古参という噂もある天使である。
しかし、何故私にここまでの忠誠を見せるのかは謎なのだ。
彼女の行動、それは全て私の任務を手助けする——という、名目の過保護。
「それはそうとだ!この村に可愛いおなごがいたそうだね!」
「ッな…なんで君がそれを知っておるのだ!?」
そしてこういうスキャンダルにおいては知識豊富だった。
いや、私関連に限って、彼女は何でもかんでも知ろうとするし、特に
誘導尋問まで自然に投げ掛けてくるから困る。
「どういう女なの?可愛くてクール?」
花が周りに見えるくらいの笑顔で微笑んで、飛びあがって舞いだす彼女。
私は羽を揺らして、精一杯嘲るように言ってやった。
「いいか、君が言っていることはすべて嫉妬だ。妬いているんだろう?
残念だったな、彼女と君はまったく異なる存在なんだよ」
ふわりと上に飛び上がり、私は上へと昇っていく。
ただ普通の生活を営む人々の姿に手を合わせ、星のオーラを集めてから
私はナザムから真上の天使界へと向かった。
「まっ、待ってよ〜!」
悲痛な声が下から聞こえるが、生憎戻りたくはない。
それよりも逃げることが先決だと己を叱咤し、猛スピードで雲の上へ出た。
「村長の娘に惚れる…ってことは、どれだけ魔性なの、ラテーナとかいう子は!
隠れ魔性の私がなれないはずがない、だって」
わたしは、エルギオスがどんな形になろうと、死を迎えようと、生きていようと、
彼とずっと一緒にいるために生きているもの。
彼女がそうつぶやいた事を、私は知らない。
ただ、彼女の恐ろしさは——
夢を叶える天使
(自分の愛も不必要の排除も、全部)
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またドラ○エ9の捏造
エルギオスにヤンデレってる自称天使(オリキャラ)が
ガナンのナザム襲撃の時に、ラテーナに化けて睡眠薬飲ませて、例の洞窟行って
ヤンデレのいつもの(ずっと一緒だよ理論)に入ろうとしたらガナンにやられて、
彼氏だけ捕まってあ゛あ゛あああああああああ!!みたいな
そんな話は思いついてる
から、ぼくさいのつぎにやりたい(コナミ感)
あと本編の記事にコメントが来ないのはどういう事でしょう水曜どうでしょう