ダーク・ファンタジー小説

Re: ぼくらときみは休戦中[短編・作者の呟き] ( No.39 )
日時: 2015/06/01 23:28
名前: 利府(リフ) (ID: ktFX/uOB)

プラン1.ハルミとタケルの会話文

プラン2.描写なさすぎの公式CPことトオル×ユリのイチャァ…イチャァ…(ねっとり)


プラン3.イサキとシンザワのほのぼの会話文



作者「どれにしますか」

ミコト「お前が内心でプラン3書きたいと思ってるだろうから3しかないでしょ」
作者「あざっす、流石主人公は察する力があるな」

ヘル「汚い流石作者汚い」
作者「お前の出番しばらく無くすぞこの電波人間」

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香港の繁華街が遠い。

母国にいる友達が見たがっていた景色をこうも簡単に見られるというのは、
私もシンザワも複雑な気持ちになるものだ。


「撮ってく?」

「頼む」


シンザワが私の心を読んだかのように聞いてくるので、こっちも当たり前の様に返す。
こいつの家族は今はどこにもおらず、居たとしても迫害の標的になるだけと聞いた。
どこかの国のテロリスト一家生まれで、一時期はそれ関連の狂信者や協力者、
ありもしない宗教をテロになぞらえて創る名だけの教祖、そして無知な信者に崇められたと。

こいつは簡単に言えば一族の良心から生まれた末裔、名前と裕福さだけ渡されて
孤児院の前に置かれた孤児らしくない孤児である。


性別を区別するものは生まれながらに切り落とされ、中性的に自分を自分で育て。


ただの探偵一家のおまえとは違うんだ、と父からそいつと私の違いを教えられた。



「…イサキや?」
「ん」

どうやらこいつの目には今の私が黄昏(たそがれ)ているように映っていたらしく、
少し心配した表情になっていた。


「大丈夫かよ、撮ったぞ?ほれ」

「そう。じゃあもう一枚頼んでいいか」


おうよ、とシャッターを再び切ろうとするその手を見ると、自分の頭に
一つの疑問が浮かんできた。


「シンザワサソリ。次に父さんに見せる情報にさ、お前の性別を書かなきゃならないの。
 適当に決めてくれないかな」

「…テキトー?」


シンザワが困った顔をするので、急かすように自分は表情を歪める。
するとシンザワは久々に焦ったような表情をして、自分の頭をポリポリ掻きだした。

あー、うーん、と口を開いてから、彼女はカメラを右手から左手に持ち替えてこちらに近付く。


そして自分の顔をまじまじと見てから、にっこりと笑った。


「イサキは女だろ。だからさ、パートナーのあっしは男でいいだろ!
 テロリストと探偵もさ、パートナーになって分かりあえるはずだと思うね」

「…それ、誰が決めたのよ」

「たった今、この場に生きているあっし!」


そう言うとシンザワはカメラを構えて、ふらつく手でシャッターを押そうとする。

私はそれに対して溜息を吐いて、常備品のメモにさらさらと文字を書いてから
シンザワの手を支えてやった。


「ありがとイサキちゃん。あっしはキミがいれば安心だよ」

「…クサイ台詞」

「なんでさ!」





————


『報告用メモ

 事件解決後 シンザワサソリと同席 


 彼と一枚の写真を撮りました』













テロとは無縁のテロの子と、テロを嫌う一流探偵
(彼の性別は私も知らないの)