ダーク・ファンタジー小説

8月の海  残虐事件 ( No.6 )
日時: 2015/02/19 07:21
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: Qa64t.a8)
参照: Re:これを、自分が書くのを最後にして後はみなさんヨロシク!(予定)

「せっかく、水着買ったのにぃ」

ココのせいで新品の水着を着ることができなくなってしまった。
きっと、ココは、ふざけてるんだ!
あいつ……家に帰ったらココの物にイタズラしちゃお!

ブンッと水着のバックをミマは振り回した。

「ミマっ!振り回さないで!人に当たったらいけないから……」

母親だ。

「……うん。」

シュルッとミマは小さくなった.


その時、青い海が一瞬、紅く染まったように見えた。
ルビーのような……夕陽だろうか。

(もう、夕方なの?全然遊べてないよぉ〜)

はぁっとミマは、溜息をついた。

「ミマ、ごめんね。今日は、遊べないわ。」

電話を終えた母親が真後ろに立っていた。

「エエエ!せっかく来たのに……奈々ちゃんや、弘美に、海に遊びに行くって自慢しちゃったのにぃ」

「ココが、見つかったらまた来ましょ。」

母親の仮面の笑顔が、ものすごく腹が立つ。

「もう……いいよ!海なんて大嫌い!」

ミマは、父の運転してきたブルーの軽に乗り込んだ。
座席に寝転がり、置いてあった雑誌を手にとった。

(なんなのよ……)

パラパラとページをめくるが、何も頭に入って来なかった。
(ココなんて知らない!あんな奴、死んじゃえばいいんだ!)

ミマは、起き上がった。
ミマの目が、一瞬キラリと光った。
雑誌をパタンと閉じ、床に投げつけた。

シュッ

「うわぁ!」
投げつけた時、ミマの膝に当たったのか血が出ていた。

「もう、最悪!!」
ポケットからティッシュを出して、膝から噴き出した液体を吹いた。

「何にも………ついてない!」
ティッシュをゴミ箱に投げ入れ、また横になった。