ダーク・ファンタジー小説

Re: イルネス・ウンフェルの喝采 【リク募集中!!】 ( No.16 )
日時: 2015/03/16 22:07
名前: NATU (ID: uW7f4EAv)

〜ハルside〜

「ハルちゃん」
「ユウタは、あと長くても半年しか生きられないの」
「だから・・・ そばにいてあげて。 お願いします」

ユウタが入院している、ある日。私はおばさんに言われた。
え・・・? 半年しか生きられないって? そばにいてあげて?
ユウタが死ぬって言うの? まさか・・・

「おばさん。何の話してるのか分かんないよ」

でも、お願いと言うおばさんは、深く頭を下げていて。とても悲しそうな顔をしていて。
嘘じゃ、ないんだ。

「・・・私にできることなら、頑張ります」
「ごめんね、ハルちゃん。ありがとう」

そう言って、おばさんは帰っていく。
・・・あと半年しか、ユウタに、会えないの?

「そんなの・・・ いやだよ」

何かの間違いであって。お願い、だから。

「っうああ・・・」

私の思いは、涙となってこぼれ落ちる。
そんなの、いやだ。そんなの、信じない。
半年経っても、これからもずっと私の隣には、ユウタがいる。
ユウタの笑顔が見られなくなる日は、きっと、来ないよ。
・・・そんな日なんて、来ないで。
ずっと、ユウタのそばにいたい。隣にいたい。

「これから、どうすればいいの・・・」

私は、どうすればいいんだろう。どうしたらユウタのためになるんだろう。
・・・私は、どうしたいんだろう。
今、私が、したいこと。

「ユウタに、会いたい」
 
      *  *  *

それから、私は毎日、病院に通っている。
少しでも長く、ユウタと居たくて。せめて、この思いは届けたくて。
私はいつも決まって花を買っていくの。今まで持っていった花は、シロツメクサ、三色スミレ、
ブーゲンビリア・・・ 他にも、色々な花を持っていった。
・・・ユウタは知っているかな。
花には1つひとつ、個性があって、その1つひとつに花言葉がこめられているんだよ。
シロツメクサは「私のことを思ってください」
三色スミレは「あなただけが私の思いを独占している」
ブーゲンビリアは「あなたしか見えない」
ユウタが花言葉を知っているとは思えないけれど、この思いが、ちゃんと届いているといいな・・・

Re: イルネス・ウンフェルの喝采 【オリキャラ&リク募集中!!】 ( No.17 )
日時: 2015/03/22 16:50
名前: NATU (ID: lwyoqLK1)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode

〜ユウタside〜

俺が入院してから、2ヶ月半が経った。
どうやら俺は、半年くらいは生きられるみたいだ。
それにしても・・・

「暇だな・・・」

ケータイもなければゲームもない。というか、そもそも持っていない。
本はあるみたいだけど・・・ どれも読んでしまった。
小説は読み尽くしちゃったし、あと見ていないのは図鑑くらい。
さすがに興味ないし・・・。

「・・・ハル、来てくれないかなぁ」

ハルが来ると、一気に空気が明るくなる。本なんか読んでいるより、ハルと話していたほうがずっと楽しい。
そういえば、最近、あいつは決まって花を持ってくる。
ブーゲンビリアとか、スミレとか。
俺は小さい頃から体が弱くてみんなと走り回ったりできなかったから、いつも図鑑を持って花を見ていた。
それぐらいしか、楽しみがなかったから・・・。
だから、自慢じゃないけど、花には詳しいんだ。
見れば、だいたいは何の花かわかるし、花言葉も、なんとなくだけど覚えている。
シロツメクサの花言葉は「私を思ってください」
三色スミレは「あなただけが私の思いを独占している」
そして、ブーゲンビリアは・・・
「あなたしか見えない」
これは、ただの偶然なのか、それとも・・・

『ハルは、俺を好き?』

        *  *  *

〜ハルside〜

私は、今日もユウタの病室に行く。
いつものように、花を持って。
今日は日曜日で学校は休み。だから、今日はユウタとたくさん話すんだ。そんな思いを胸に、私はドアを開ける。
ガラガラッ

「おはよー、ユウ・・・タ・・・?」
「・・・あ、ハル。 はよ」

彼は、ベッドに座っていた。
開け放った窓から外を眺める彼はひどく寂しそうで。
今にも、消えてしまいそうで。
っやだ・・・ ユウタ。 いかないで。
この日のユウタの背中は、とても小さく見えた。





ごめんなさい。 親が帰ってきてしまったので中断します。
あとで更新すると思います・・・!