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ダーク・ファンタジー小説
- 守るべきもの〜自衛隊を敵に回した元自衛官〜 ( No.11 )
- 日時: 2015/03/08 15:28
- 名前: 裏の傍観者 (ID: /uGlMfie)
1215時、東名高速道路 海老名サービスエリア。
完全フル装備で出撃を命じられた戦車大隊は、作戦変更により海老名サービスエリアで一時待機となった。
戦車を使わず、WAPCを基準とした戦闘は、戦車大隊では異例のことらしい。
結美が国防軍に入隊してから、この大隊の今いる中隊の空気は悪くなった。
もとから結美に敵対していた波森も、あいつへの敵対心を大きく膨らましていた。
実弾が込められた89式小銃が、いつもより2倍重い。
人の命を絶つ重さなんだろうか。
「神野。」
ふと呼ばれて横を向く。
波森だった。
「何さ?」
「結美をみたら俺に言ってくれ。代わりに俺が殺してやるよ。」
そういって、波森は89式小銃をちらつかせる。
あいつに対する殺意が大きくなっている。
「よせ波森、俺達は殺しにいくんじゃない。国防軍を止めるためにいくんだ。・・・殺せと言われたら、仕方がないけどさ。」
吉川はそういって携帯を操作する。
「どうしてこんなことになったんだかな。」
結美、会えたら教えてほしい。
どうして味方を殺してまで、国防軍に入隊したのかを。
自衛隊のやり方が間違えているのか?
かといって、国防軍は正解なのか?
どっちも俺には分からなかった。
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