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ダーク・ファンタジー小説
- 守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜 ( No.17 )
- 日時: 2015/05/09 16:02
- 名前: 裏の傍観者 (ID: mNUslh/H)
1500時、横浜市役所 会議室。
パソコンに繋がれたプロジェクターが国防省での戦闘をスクリーンに映し出している。
アパッチは未だ待機中で、ブラックホークは国防省から200メートル先に離れた駐車場で隊員を降下させた。
自衛隊員で「S」と呼ばれる彼らは、元自衛官であり、国防軍に属した国防2等尉官、結美 玲也を抹消する任務を与えられて今回の作戦に参加している。
陸上自衛隊、特戦作戦群。
中央即応集団の隷下部隊であり、日本初にして唯一の特殊部隊。
彼らの持つ力は一般隊員とは比べ物にならないほど。
89式小銃という概念に捕らわれず、自らあらゆる手段で入手した小銃を駆使して戦う。
中には、ドイツのH&kが製造した最新の小銃、Hk416・417を使う隊員がいた。
他にも、M82A2バレットと呼ばれる50口径対物ライフルも使用しているらしい。
とんだいかれた連中だ。
そんな奴等がムキになって結美陸士長を消す理由がわからない。
自衛官を殺しただけで特戦群は出てくるのだろうか?
「大隊長、市民の避難が90%完了しています。」
隣で小森谷准陸尉が市民の状況を報告してきた。
彼は今どんな事を考えているのか気になった。
「小森谷准尉、今回の任務についてどう思っている?」
「浜田2佐?」
「聞かせてほしい。」
彼はなにやら戸惑っていたが、暫くして口を開けた。
「正直、納得していません。特戦群まで参加する必要があるのか考えていました。」
成る程、彼もそう考えていたか。
「私もだ。理由が知りたいが、これは上からの命令だ。本隊を全て前進させよ。アパッチについては、攻撃準備を実施させよ。」
「了解しました。」
悪くは思わないでほしい。
国防官も一緒なはずだ。
君や私も国の命令で戦っている。
君にもわかるだろうか、結美士長・・・いや、結美2尉官。
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