ダーク・ファンタジー小説

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜 ( No.21 )
日時: 2015/03/15 06:21
名前: 裏の傍観者 (ID: lU2b9h8R)

10分後、横浜市内 交差点。
奴等が向かってくる方向に持ち合わせていたC4爆弾すべてを設置した。
作戦はない。
だが、特戦群の隊員がどんな奴か気になり、ちょっとした賭けにでる。
C4爆弾に囲まれた道路のど真ん中で待ち伏せをする。
奴等は必ず俺を円になって囲むはずだ。
囲んできたらそこで爆弾を起爆させる。
危険な行為だが、気になる。
小銃と拳銃はすでに準備が整っている。
手にはいつでも押せるよう、起爆スイッチを隠し持つ。
後は奴等が来るのを待つだけだ。
そしてついに、奴が姿を現した。
「良い動きだな。・・・そこにいるのは分かっている、来るなら来い。」
さて、この挑発に乗るだろうか。
奴等はすでに起爆範囲内にいる。
「良し、囲め!」
乗って来た。
隊長らしき隊員が部下に囲めと指示させると、そいつらは俺を囲んだ。
鈍く光る銃口が全て俺に向けられている。
「いい動きだな、流石は特戦群だ。使用している武器も、使い勝手が良さそうだ。」
「そういう貴様こそ、よく特戦群と見抜いたな。結美元陸士長。」
隊長自らお出ましとはな。
「桜の心をなくした俺は自衛官じゃない。今は国防2等尉官の結美 玲也だ。」
「そうか、結美2等尉官。俺は1等陸曹の三溝 信三だ。覚えられんだろうからここまでだ。貴様は今日づけで執行されるからだ。」
三溝1曹は9㎜拳銃の銃口を俺に向ける。
「執行か、俺が抹消対象者にされているらしいな。・・・理由は?」
「俺は知らん、ただ国の命令なんでな。理由なんて関係ない、ただ任務を遂行するだけだ。」
「そうか。」
「執行前に3分間待ってやる。3分間好きにしろ。懺悔でもすればいい、その後に執行する。」
「3分間か、分かった。3分間でなにが出来るかね、森3曹。」
横にいる奴に聞いてみる。
なんて返ってくるか。
「知るか裏切り者!」
「なら教えてやる。・・・貴様らを殺すことだ!」
起爆スイッチを押す。
俺を囲んでいた自衛官が爆風により吹っ飛ぶ。
車のある位置まで走り、車を盾にする。
小銃の切換レバーを「レ」にし、態勢を崩した自衛官に連射した。
蜂の巣にされたそいつはその場から動かない。
今のでざっと5人は始末した。
「奴を撃て!」
向こうも発砲してきた。
車に大量の弾が撃ち込まれる。
奴等の戦法を確認すると、撃っては移動の繰り返しだった。
しかもその動作がやたらと素早い。
一般隊員ならついていけないだろう。
俺ならそれを覆す。
仕掛けたのはC4爆弾だけじゃない。
クレイモアもそこら中に設置した。
すでにそれに引っ掛かり体を粉砕した自衛官もいる。
かなりの人数を始末できた。
残りは人数的に2つの小隊くらいだろう。
思ったよりもあっけない。
が、隊長さんである三溝1曹はまだ生きている。
「やるな結美2等尉官!」
「デカい図体して、よく動き回るな。邪魔くさい!」
弾はさっき貴志川と夕美から全弾受け取っている。
今は弾に困ることはないだろう。
問題は、1対数人でどこまで持つかだ。
「貴様らを国防省にいかせない、状況がおわるまではここで踊ってもらう!」
なんとか足止めは出来ている。
後は任せたぞ、夕美!