ダーク・ファンタジー小説

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜 ( No.23 )
日時: 2015/03/15 10:19
名前: 裏の傍観者 (ID: nnuqNgn3)

同時刻、国防省 指揮所。
玲也に命令された通りに防御陣地を建て直し、貴志川は当初の狙撃位置である屋上に戻った。
防御は完璧だと思っていたその時、伝令からの報告で事態は一変する。
「日暮奈3尉官!狙撃班から報告、アパッチが動き出したとのことです!」
「なんですって!?」
上空を確認する。
アパッチ全機が急速でこちらに接近してくる。
「また、住民の避難が完了した模様!」
やっと住民の避難が完了したようだ。
これで玲也が残してくれた切り札が使える。
「最悪な状況だけど、こっちにはまだ切り札があるわ。ジャベリン迎撃部隊を展開!!」
「了解!」
伝令は無線でジャベリン迎撃部隊を展開するよう呼び掛ける。
すぐに各車両からジャベリンATGMが出される。
潜伏していた第5中隊も、屋上に展開し迎撃態勢に入った。
「アパッチを絶対に寄せ付けさせないで!各人の判断で発射を許可!」
『了解!!』
アパッチが国防省に墜落するのは避けなければいけない。
接近してくる前に攻撃だ。
早速、屋上に展開した第5中隊がミサイルを発射した。
そのミサイルは先頭のアパッチに向かって高速で飛んでいく。
しかし、アパッチから放出されたフレアによってミサイルは外された。
「まだよ!アパッチに照準を合わせ続けて!ロック検知されただけでも、相手に脅威を与えられるわ!」
「了解!」
アパッチ部隊は編成を組んで接近していたが、ミサイルを放たれてから編成が崩れた。
これも想定済みだ。
編成を崩したアパッチは散開して国防省を囲み集中攻撃をする。
その対策として、玲也は全方向にジャベリン迎撃部隊を配置した。
これなら、アパッチといえど下手に近づくことはできない。
相当な腕前をもつパイロットだったら話は別だが。
アパッチがチェーンガンで西で待機していたWAPCを攻撃した。
<零ーHQ、こちら零ーW10!攻撃を受けた!WAPC大破、負傷者15名!そのうち2名は重傷、戦闘続行不能!送れ!>
アパッチの攻撃により、大きな被害を受けてしまった。
「零ーW10、こちら零ーHQ!下車戦闘用意!負傷者は直ちに搬送!送れ!」
<零ーW10了解!>
「これ以上負傷者を出させないわ!ジャベリン迎撃部隊、一斉射撃よ!」
『了解!!』
地上や空中からも攻め込まれている。
これではここも長くは持たなくなる。
「玲也・・・どうしたらいいのよ!」
ここから先の策は尽きかけていた。