ダーク・ファンタジー小説

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜※国防官募集中!! ( No.27 )
日時: 2015/03/15 22:48
名前: 裏の傍観者 (ID: 0exqyz.j)

ここは・・・どこだ?
視界がやけに白い。
何かが散っている。
これは桜・・・?
目の前には大きな樹があり、桜はそこから散っている。
桜か。
その樹の前に誰かが立っている。
そいつは陸自迷彩の戦闘服を着ている。
敵だ。
拳銃を引き抜き、銃口を向ける。
「貴様は誰だ!」
奴に呼び掛ける。
反応したのか、そいつが俺に顔を向けた。
あまりにも驚いた俺は体が震える。
なぜなら前にいるのは・・・。
「陸上自衛隊、戦車大隊 陸士長の結美 玲也だ。貴様こそ誰だ?」
自衛官だった頃の俺だった。
「日本国防陸軍、第零攻撃戦闘大隊 国防2等尉官 結美 玲也だ。」
あり得ない、なぜ自衛官だった頃の俺がいる?
「国防官・・・。」
「なぜ自衛官として生きている!俺はもう国防官なんだ!」
「自衛官だった頃の俺が嫌いか?」
何を言っているんだこいつは。
「桜の心をなくしたお前は、何を心に持つ?」
「何も持ちやしない、ただ守るべきものが何なのかを探すだけだ!自衛官だった頃の俺はもう必要ない!!」
躊躇いなく引き金を引いた。
銃声が鳴り響き、気づけば奴はいなかった。
同時に桜が一斉に散っていく。
まるで、奴自身が桜の花びらだったかのように見えた。
それから視界がさらに眩しくなる。
そして視界が真っ白になり、何も見えなくなった・・・。