ダーク・ファンタジー小説
- 守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.39 )
- 日時: 2015/03/18 20:41
- 名前: 裏の傍観者 (ID: KBFVK1Mo)
0805時、首都高速道路。
「すまんな貴志川、本当なら俺が運転するはずだったが。」
「気にすんなよ、玲也の腕まだ治ってねぇんだから無茶すんな。」
「助かる。」
貴志川が運転する黒塗りの高級車は、毎度お馴染みの首都高渋滞に巻き込まれていた。
渋滞は退屈になり、少し苛立つ時がある。
仕方ない事だが。
「ヤジさん、なんたって相馬原に出向いて貴志川が壊したアパッチを拝みに行くんだ?」
後部座席には、夕美と相模1佐官が座っている。
「アパッチは日本でたったの10機しかなくてな、その貴重なヘリを壊してくれたってんでお偉いさんがカンカンらしい。兵器は所詮ぶっ壊れると言っても聞きやしない。」
「なるほど、弁償しろ・・・と。」
「俺はしねぇからな。」
「貴志川のせいじゃない、あんな状況であれを全機も出した馬鹿野郎のせいだ。気にするな。」
たかが地上部隊に対して、奥の手を全て使う馬鹿はいないと思っていたが、知っている限り自衛隊しかいない。
いかれた野郎だ。
「でも、行ってどうするんですか相模1佐官?」
「これをお渡ししろと、国防長官から命令を受けたらしくてな。代行して行くことになった、面倒な仕事だろ。」
「全くだなヤジさん。」
相模1佐官はそういって分厚い封筒を手にした。
何が入っているのか知らないが、厳重に封がされているので下手には扱えない事が分かった。
最初から金食い虫をだすなといってやりたい。
「それと噂がある。アパッチを搬送するのに、空自が出てくるらしい。」
「それまたご苦労なことですね。」
貴志川が呆れた顔をした。
陸自が使って壊したなら、陸自が責任をもって搬送すれば良い話だ。
「だが油断するな、奴等が持っている獲物は、7.62mm弾を使う64式小銃だ。大怪我したくなけりゃ、気をつけろよ。」
『了解〜。』
またしても体にもう一つの馬鹿デカい穴が開きそうだ。
一応、何かあったときのために車に武器を詰め込んだ。
貴志川はM24、夕美は短機関拳銃に区別されているMP5J。
俺は89式小銃2型と言いたいところだが、腕がまだ完治していないので陸自の9㎜拳銃のみ携行している。
因みに9㎜拳銃は国防軍に入隊する前、戦車乗員の車長から奪い取った物だ。
そのため、国防軍にはこの一挺しかない。
弾倉もたったの5つだけだ。
「お、渋滞から抜けたみたいだ。」
車がスムーズに進むようになり、首都高をやっと抜けた。
「日暮奈3尉官。」
「何かしら?」
「これから行くのは陸自の施設だ、俺のこともある。最悪の場合、自衛官を至近距離で撃つことになる。・・・撃てなかったら俺に言ってくれ、撃つのは俺だけで充分だし、慣れてる。」
初めて撃ち殺したのも自衛官だった。
今の俺は、撃つことに躊躇いはない。
「少しは私を信用してよ、貴方をこれ以上撃たせないわ。」
「・・・その意気だ。」
夕美の意気で俺は少し安心した。