ダーク・ファンタジー小説

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.44 )
日時: 2015/03/23 15:33
名前: 裏の傍観者 (ID: cYeSCNTQ)

1400時、高崎駅。

相模1佐官がどうしてもということで高崎駅によった。
理由は・・・食い物探しだ。
さっきはハンバーガーを食べたのに、今は車内でうどんときた。
「貴志川。」
「はい何か?」
「・・・結美と日暮奈はどこまでいった?」
思わず飲んでいた紅茶を吹いてしまった。
「いきなりっすね!?」
「気になるんだよ、ベタベタだしな。」
そういえばそうだ。
夕美が初めて中隊に来たときはあまりにもストレートすぎた事もあり、誰にも心を開かなかった。
「いつからでしたっけ?」
「なんだ貴志川、覚えとらんのか?練馬前線で日暮奈が一人で突っ込んだろ。」
「あぁ!そうだった!」
練馬前線での戦闘中、夕美が見当たらないと騒ぎになった時に真っ先に飛び出したのが玲也だった。
「あの時の日暮奈は熱くなりすぎてて、気付けば2個中隊に囲まれてたな!」
「笑い事じゃないっすよ。」
2個中隊に囲まれたと聞いた時は諦めかけていた。
だが玲也は自分の身に危険が及んだとしても、気にせず真っ直ぐに夕美の元へ行き一人で2個中隊を下がらせた。
特戦群とも渡り合える力を持つ玲也は化け物だ。
「それから戦闘が終わった途端に日暮奈は結美に抱き締められたな。」
「ドラマチックでしたね。」
当時夕美が玲也に心を開いた時の事を良く覚えている。

4ヶ月前、練馬区。
「(ごめんなさい・・・、私のせいで・・・。)」
「(日暮奈3尉官・・・。)」
「(こんな私が味方なんて最低だよね・・・私もう辞めるわ、国防官失格だから・・・。)」
玲也は夕美を優しく抱き締めた。
いきなりの事で夕美は勿論、皆が驚いたんだっけな。
「(何・・・を?)」
「(失格なんかじゃない、むしろ誇るべきだ。)」
「(何を言ってるの?)」
「(普通の奴だったら一人で突っ込もうとしないさ。だがそれは弱さだ。日暮奈3尉官、気付いてないかもしれないが、お前は皆に教えたんだよ。ただ戦うだけじゃ駄目だ、守りたいものがあるなら死ぬ気で戦わなきゃいけないと。)」
「(私が・・・皆に?)」
「(そうだ。・・・俺は嬉しいよ。日暮奈3尉官がそういう人間である事を。国防官として失格なんかじゃない。)」
「(・・・・・。)」
「(俺が偉そうに言えることじゃなかったかな。・・・日暮奈3尉官、心を開かなくてもお前は1中隊、いや結美中隊の仲間だ。だからやめないでくれ。中隊長として、俺個人としてな。)」
「(中隊長・・・。)」
「(結美でいい。それか玲也でもいいよ。)」
「(・・・夕美。)」
「(なんだ?)」
「(夕美って呼んで・・・いいから。)」
「(ありがとう夕美。)」
「(それは私が言うべき事よ・・・。私に居場所をくれてありがとうね、玲也!)」
その時感動していた俺と中隊の皆が一気に二人の元へ駆けつけて、俺は二人を持ち上げた。
「(何するのよ!?)」
「(貴志川!無茶するな!)」
「(んなもん関係あるかよ!めでてぇなぁ!!)」
「(もう!このお調子者!)」
その時夕美は呆れて笑っていて、彼女から俺も夕美に名前で呼んでいいといわれた。
それから俺と玲也と夕美の3人で一緒に毎日を過ごしている。

「結美には感謝している。あいつがいたから、今の大隊がある。大隊もそうだが他部隊からも評価が高いし信頼もある。」
「そうですね。」
玲也がいなかったら、射撃は上手くならなかっただろう。
それだけじゃない。
玲也は俺だけじゃなく、皆にも家族という大切な宝物をくれた。
感謝しきれないくらいだ。
「来週に大隊の宴会があるだろ、結美をあげてやろうか!」
「玲也はまだ未成年っすよ!」
未成年である玲也に酒を飲ます気かこのおっさんは!
「そうだったな。貴志川、そろそろ旅館にいこうか!腹が減ったぞ。」
「了解っす!」
全く、いつまで食い続ける気なんだろうか。
エンジンをかけて、旅館に向かった。