ダーク・ファンタジー小説
- 守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.46 )
- 日時: 2015/03/27 16:27
- 名前: 裏の傍観者 (ID: mvR3Twya)
1720時、富士重工業。
「これはまた・・・。」
社員達がアパッチの弾痕を見て息を呑んだ。
50口径の破壊力は馬鹿にならない。
人間に命中すれば、簡単に粉々になる。
「前部座席の機材が全壊、後部座席は軽微。機材が痛いですね。」
社員のリーダーがリストを渡してきた。
結構な数の部品が死んでいた。
「どれくらいかかりますか?」
試しに聞いてみた。
「2ヶ月はかかるでしょう。もう生産していないのでパーツをまた新たに製作することになります。」
「そうですか。」
まぁ、アパッチが直るなら何でもいい。
私の部隊の物ではないし、陸自の所有物だからだ。
一通り社員から説明を受け、アパッチ運搬の勤務は終わった。
車両に戻ると、古城2尉が待っていた。
「どうでした?風神2佐。」
「駄目だった、機材を新たに作らないといけないらしいから。」
「そうとうなダメージだったんですね。」
正直、私には関係のないことだ。
もうこのまま国防軍に消されてもいい気がしてきた。
「古城2尉、次のフライトいつ?」
「明後日です。」
「そう。」
古城2尉は元々百里基地の隊員だ。
私が彼を入間に呼んだのは、偶然仕事で合ったときに私の独り言で彼から声をかけられた時から始まった。
古城2尉は自衛隊を内側から変えていきたいと言っていた。
だが私には自衛隊に対する復讐しかない。
彼ならどう答えるか気になって連れてきたが、聞こうにも聞きづらかった。
結美2尉官に言われたその時から、私は迷い始めた。
「・・・風神2佐、まさか彼みたいに自衛隊を敵に回すと考えていますか?」
「どうして?」
「顔を見れば分かります、彼も同じだった。」
彼は自衛隊を本気で正そうとしている。
それに比べて私はただの復讐の塊だ。
自衛隊を正そうと考えたことはなかった。
結美2尉官の言葉を思い返す。
「(貴様の両親よりは小さい事だ。だが、自衛隊の存在意義については貴様ら自衛官も考えるべきだ。・・・そう思わないか風神2佐。)」
確かに彼の言う通りかもしれない。
「古城2尉、自衛隊の存在意義について・・・考えたことある?」
「いきなりですね。・・・まぁ、何度かあります。」
「聞かせて、じゃなきゃ殺すから。」
彼の考えを聞きたい。
明日また相馬原で結美2尉官達と会うはずだ。
それまでに、答えを見つけておきたかった。