ダーク・ファンタジー小説

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.57 )
日時: 2015/05/13 21:39
名前: 裏の傍観者 (ID: XQp3U0Mo)

「古城2尉、他2名の者入ります。」
案内されたのは会議室。
会議室があるこの旧隊舎は3年前に破棄され、今はすべての部屋が会議室となっていることから、会議棟とも呼ばれている。
今回はたまたま人がいなかった事もあり、静かだった。
「風神2佐、お連れしましたよ。結美2尉官のお連れも。」
「あれま、しっかりとしたお連れさんじゃない。まぁ結美2尉官はしってると思うけど、堅苦しいのは嫌いだから適当に座って。」
「そのだらけさ、部隊を引っ張る2佐には見えないな。」
「ケッ、言ってろ。」
お言葉通り、椅子に座る。
夕美は風神2佐の態度が急に変わったことに驚いている。
「ん、あんたの彼女さんなんで驚いてんの?」
「貴様の裏を初めて見るからだ。当然の反応だろう、猫かぶり。」
「言ってくれるじゃねぇか。」
暫くし、古城2尉がお茶を持ってきてくれた。
「ありがとう。」
「いえいえ。」
こうしてみると、古城2尉がよっぽどマシに見える。
「んで、話とはなんだ?」
早速本題に入る。
風神2佐はだらけた態度を直し、俺に向き合う。
「・・・昨日の話だ、あんたは言った。自衛隊の存在意義を、貴様ら自衛官も考えるべきだ・・・と。その考えの答えだ。」
「そうか、答えは出たか?」
「あぁ。」
彼女は暫く黙り混み、決心した。
「存在すべきだ。」
「ほう。」
その答えを出すからには、なにか理由があるんだろう。
「そもそも日本は小せぇし、お隣さんからは小日本帝国なんて呼ばれる始末だしな。だからこそだ、防衛力に人員は欠かせない。」
「もっともな意見だな。だがお前自身はどうなる?」
彼女の両親は空自に殺された。
その復讐を果たすために入隊した。
復讐を果たすには上を目指す必要があった。
恨みをもつ彼女は、今まで努力をして佐官クラスになった。
それを今更手放すわけでもないだろう。
「古城2尉と同じ、内部から自衛隊を変える。それからだよ。」
なるほどな。
いきなり自衛隊を敵に回すことよりも、内部から変えていくことを選んだか。
仇を撃つだけならそれはただの凶戦士だ。
だが自衛隊はそんなやつらの集まりじゃない。
その辺をよく考えたに違いない、大したもんだ。
「確かに私の両親は空自に苛められて自殺した。・・・空自が殺したようなもんだけど、誰が殺したという明確な証拠がないんだ。もし誰かだとわかったら、あんたみたいに自衛官を殺してた。自衛隊なんか糞くらえだけど、私は古城2尉と同じ、空が好き。その空を飛んでいたい。」
「・・・さすがパイロット。それを聞いただけでも、俺は充分だ。・・・夕美はどう思う?」
「え、私?」
夕美は恐らく何の話をしているのかは理解していないだろう。
だが、今の答えを聞けば俺の質問に答えられる。
「・・・あまり話の内容は分からないわ。だけど、貴方達が持っている空への思いは素敵ね。私や玲也なんか、貴方達のように純粋な気持ちはないわ。あるとしても、私は玲也を愛していることだけ。」
「確かにその通りだな。さすがだ夕美、けど最後のは恥ずかしいんだが。」
事実ではあるが。
「ちょっと待って、あんたら付き合ってんの!?」
風神2佐は驚きを隠せず大声で俺に質問してきた。
「プライベートの話まで聞く気か?」
「べ、別にそういう訳じゃねぇけど!意外よね古城2尉!」
「でも確かにお似合いだと思いますよ、2人揃って冷静ですし。」
古城2尉のやつ、やたらニヤニヤしてやがる。
「あんたって人気者ね、部隊や地元でも有名らしいじゃない。」
「自衛隊では別の意味で有名だがな。お陰さまで特戦群でも人気らしい。」
「それ・・・、洒落になんねぇよ。」
風神2佐と古城2尉は二人して苦笑していた。