ダーク・ファンタジー小説
- 守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.59 )
- 日時: 2015/05/16 11:09
- 名前: 裏の傍観者 (ID: cYeSCNTQ)
1307時、入間基地 隊舎屋上。
「なんか嬉しそうですね、風神2佐。」
「ん〜?」
古城2尉だった。
「なんかスッキリした気分だから、そういえば分かるでしょ。」
「目的が見つかったんですね。」
今まで自衛隊をただ嫌っていただけで、内部から変えようとすら考えていなかった。
だが、古城2尉の意見やあの時出会った結美2尉官の言葉で目覚めたのだ。
「(自衛隊の存在意義については貴様ら自衛官も考えるべきだ。・・・そう思わないか風神2佐。)」
今でもあの言葉が心に残っている。
「ありがと、古城2尉。あんたを呼んでなかったら、こんなスッキリした気分にはならなかった。」
「自分も風神2佐に感謝しなければいけません。あの有名な結美2尉官に会えるのは滅多にないですから。」
確かに、彼は有名だが会うことが滅多にない。
それもそう、彼は国防官であり私たちは自衛隊だ。
「それで、最初はどうします?」
「もちろん、まずは部隊からひねくれた根性を叩き直す!手伝ってくれるでしょ?」
「もちろん、そのために呼ばれたと自覚してますから。」
これから忙しくなりそうだ。
1500時、新宿駅西口。
「戦争反対!!」
「「反対!!」」
大勢の人が戦争反対のプラカードなどをもってデモ活動をしている。
丁度新宿で買い物しに来ていた。
これは視認情報だ。
ポケットからスマートフォンを手にし、魅標3曹官に電話をする。
<・・・はい、魅標です。>
「河瀬だ。」
<河瀬2曹官、どうかなさいました?>
「視認情報だ、新宿で自衛隊と国防官の戦争反対運動してる。」
<了解です、協力有難うございます。>
すると、黒のワゴン車が1列で走っているのを見かける。
数からするとざっと20台はいる。
不気味なものだ。
<もしもし?河瀬2曹官?>
「いや、何やら怪しげなワゴン車が20台走っていたものでな。」
<ワゴン車・・・ですか?>
ワゴン車はデモ活動が行われている場所で止まる。
それに気づいた多くの通行人が足を止める。
そこで状況は激変する。
ビルのスクリーンが砂嵐になったあと、テロリストにしてはいい装備を身に付け目出し帽を被った人物が現れる。
「なんだあれは!?魅標3曹官、今ビデオに切り替える!」
<了解!迎えを出しておきます!>
外は危険だ、近くのショッピングモールに入り窓が空いている3階に登り、スマートフォンのカメラを起動する。
<感度良好、確認しました。・・・なんですかこれは!?>
「さっぱりわからん!だが確かなのは、こいつらテロリストだ!」
ついに、そのスクリーンに映った男が喋りだす。
『デモ活動を行っている愚かな者達よ。貴様らが今訴えている戦争反対はどう言った理由で行っている?ただ戦争をなくして自分達だけ平和になろうとしか我々には思えない。本当に愚かしいことだ。貴様ら平和ボケの日本人はなにかとそうだ。なにかと物事に対し反対をする。原発の時もだ、原発再稼働についても大いに反対していたな。逆に問おう。原発の再稼働を阻止したとしよう、貴様らに何ができる?原発に変わる新しいエネルギーを見つけたとでも言うのか?ただ反対しているのか?そう、貴様らはまともな解決策すらなく何かと意見をいう口先だけの貴様らが許せない。我々はそんな貴様らを排除する。後悔するがいい、今までの行い、自分の愚かさを抱きながら・・・死ね。』
すると、ワゴン車からとんでもない事が起きる。
「おいありゃ・・・!」
<警察!?いや・・・!>
警察の特殊部隊のような格好をした集団がワゴン車から出現する。
手にしている銃は・・・米軍の小銃、M4A1カービンだった。
車両の窓が空いていると思い、偶然手にしていた双眼鏡で車内を覗く。
そこには・・・。
「12.7㎜重機関銃だと!?」
『さぁ、公開処刑の時間だ。』
スクリーンの男は中指を立てる。
それが合図なのか、武装集団はデモ運動をしている集団に対しついに一斉射撃を行った。
「うわあああああッ!!」
「にげッ!?」
「がぁ!?」
撃たれた人は原型を残さず粉々に散っていく。
この威力は、12.7㎜重機関銃か!!
「なんてこったい!新宿が一瞬で処刑場に変わりやがった!」
<河瀬2曹官!迎えが到着しました!今いるショッピングセンターの下に一般車ですが華目3曹官が車止めてます!急いでください!>
「せっかくの休日がこれかよ!」
その場を後にして下に降りる。
さっきので通行人が一斉に逃げ出している。
そのせいで道は人混みだ。
武装集団はこちらにまで攻撃をしてきた。
「くそッ!!」
「河瀬2曹官!こっちです、急いで!!」
道路に華目3曹官の車が止めてあった。
即席でやったのか、車体には防弾板が貼り付けられていた。
人混みを突破して車に乗り込む。
「行きます!」
華目3曹官は車を反転させて赤羽基地に向けて走らせる。
「ご無事ですか?」
「俺はな。あそこにいた通行人は無事じゃすまないだろう。12.7㎜重機関銃で体を木っ端微塵にされたやつもいた。」
「なんてことを・・・!」
「とりあえず戻るぞ!」