ダーク・ファンタジー小説
- 守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.67 )
- 日時: 2015/06/12 16:56
- 名前: 裏の傍観者 (ID: .tpzY.mD)
新宿駅。
車を駐車場に止め、西口方面を見る。
あれから未だに調査が進まず、封鎖されている。
封鎖区域は気づかぬうちに戦場の跡地みたいに荒れていた。
ラーメン店での合流のはずだったが、店の名前を聞いてなかった。
スマートフォンで連絡をとろうとしたときだ。
「酷い光景だな、平和な場所のはずが、公開処刑場になるとは。」
「・・・いるなら連絡くらいよこせ、三溝1曹。」
三溝1曹は駐車券売機から姿を現した。
流石は特戦群隊員。
気配を感じさせずに出てくるとは。
「久しいな、結美2尉官。」
「そっちもな。」
車の鍵をかけて歩き出す。
三溝1曹は西口方面の通路で足を止める。
「どうした?」
「・・・少し偵察するか。」
そういって封鎖している柵を登り始めた。
「おいおい、仮にも現役だろ。」
「生憎だが今の俺は民間人だ。現役だということも知られてはならないんでな。」
「確かに、あんたら皆極秘部隊だからな。」
呆れたが止めても無駄のようだ。
柵を登り、封鎖区域に入る。
念のため拳銃を鞄から取り出す。
SIGP226を三溝1曹に渡す。
「・・・ここにいるときだけこいつを貸してやる、何もない訳じゃなさそうだ。」
俺が見ている方向に指を指す。
一部の建物から一瞬だけ光が見えた。
月で何かが光ったようだ。
「なるほどな、だがお前はどうする?」
「9㎜拳銃がある。・・・奪ったものだが。」
「戦車乗員の車長か。今更気にしてなどいない、それよりも。」
「わかっている、極力道路は避けよう。建物を突っ切るしかないな。」
「了解した、背中を預ける。」
珍しく三溝1曹は積極的だ。
薬室に弾を送り込み、前進する。
新宿駅西口には、高速バスや路線バスなどが停留する大きなロータリーと多くのバスターミナルがある。
そして、バスターミナルに移動するための大きな地下通路がある。
「この状況、地下しかないな。」
三溝1曹は東京メトロへの地下階段の壁に身を寄せる。
空は快晴、そして満月。
ライトがなくても十分目視で確認できる明るさだ。
バスターミナルを通れば、発見されるか、スナイパーのいい的になるだけだ。
「この辺りはよく知っている、だが地下は遠回りになるぞ。」
地下通路は元々道路を横断すればバスに跳ねられてしまう危険があるためにバスターミナルへの移動を目的として作られた。
この地下通路がどこまでも続いている訳ではない。
最悪、地上の道路を横切る可能性もある。
「移動できるとすればどこまでだ?」
「曲がり角にある交差点までだ。」
「了解した。」
地下階段を降り、地下通路に出る。
地下は電力が一切通っておらず、視界が真っ暗だった。
手にしていたライトを点灯する。
警戒しながら前へ進む途中、あるものに気づく。
壁際に置かれている箱から多くのコードが奥の通路まで続いている。
三溝1曹もそれに気づいたようだ。
「・・・これは発電機か。」
「発電機?」
三溝1曹は発電機を隅々まで調べる。
「使われたのは数時間前だろう、微かに熱を感じる。燃料は補給されたばかりのようだ。」
「今でも使われているってことか。」
「そう判断する。・・・電気を必要とする何かがここにあるようだ。」
これはまた、何か大事になりそうな予感がしてきた。