ダーク・ファンタジー小説
- 守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.78 )
- 日時: 2015/08/21 22:51
- 名前: 裏の傍観者 (ID: m9NLROFC)
「私も最初は寝てたんだけど、貴志川のゲームが気になっちゃって仕方なかったのよ。」
夕美はなぜか恥ずかしそうにしている。
ゲームをすることは別に恥ずかしいことではないが・・・。
「どんなゲームなんだ?」
「4人の女神達が国をつくって発展させていくゲームさ。ゲーム機だと女神達が主に登場してストーリーが進んでいくんだか、それがまたメタ発言やらで面白いのさ。んで、このオンラインゲームだと女神と国を守るためのギルドを作ってプレイヤー同士所属する国の傭兵やら軍隊に別れて戦うのさ。」
なるほど、それは面白そうだな。
あとで貴志川に貸りてやってみるか。
「それで、玲也はどこいってたんだ?仕事絡みだと聞いたが?」
「あぁ、三溝1曹に呼ばれてな、少しばかり新宿の封鎖区域にいた。」
「「ッ!?」」
突然二人が立ち上がった。
かなり顔が険しくなっている。
「なんだ?」
「なんだ?っじゃないでしょう!?こんな真夜中に敵である自衛官と一緒に封鎖区域にいくなんて正気なの!?」
「三溝ってあの時の特戦群の隊員だろ!?大丈夫かよ?」
落ち着かない2人に俺は今までの出来事を話す。
例のアンテナについては話さないようにした。
まだ確信がない。
だが、あの改造されたアンテナが何かに使われる事は確かだ。
「・・・封鎖区域に武装集団、やはりいたのね。」
「あぁ、それも厄介なことに武装傭兵団に偽装して行動していた。」
武装傭兵団は会社の規則により夜間行動を行うことは制限されている。
その昔、夜間による活動の際に誤射で民間人の射殺事案があった。
彼らは民間人によって立ち上げられた組織であり、立場的には自衛隊と大差変わらない。
それが大問題となり、夜間活動に制限がかけられたのだ。
よっぽどのことがない限り彼らは夜間行動を行わない。
独断による行動はもちろん、会社は国からの許可がない限り一切動けないのだ。
「それ以外については収穫なしだ、すまんな貴志川。狙撃情報は今のところこれだけだ。」
「気にすんなよ。それに連中が武装傭兵団に偽装してるって情報があっただけでも大きな収穫だぜ。」
「そうね。・・・けど三溝1曹となんて驚きね。いくらプライベートでも一緒にいるべきじゃないわ、彼は特戦群の隊員なんでしょう?」
「別に仲が良い訳じゃない。考えが同じってだけで、戦えと言われたら躊躇わず戦う。」
作戦開始時期まであと2日。
今回集められた情報を元に俺は着々と準備を進めた。
と同時に、念の為保険をかけておいた。
東富士演習場、作美台。
<11、12。>
「11送れ。」
無線で自分の単車が呼ばれた。
ヘッドセットの無線ボタンを押して応答をした。
全く、せっかくの休暇が駒門駐屯地にいる戦車大隊の動きを偵察警戒とは。
まぁ国防省にこいつらが攻め込んできたから仕方ないと言えば仕方ない。
<12、現在の状況、駒門STAからRCVが3台出撃したのを確認した。出現ポイント、駒門STA西南門。現在南外周道を前進中。>
「11りょ、気づかれた可能性あり、直ちに移動する。」
周波数のチャンネルを変えて小隊系に切り替える。
「10、運転始め。」
90式戦車2型5両で編成された1小隊は運転を開始する。
90式のディーゼルエンジンが大きく唸る。
「操縦手、前進経路は予定通り戦車道だが何があるか分からん、いざというときは自由に全力疾走だ。」
<了解!>
「砲手は行進射の準備、情報を送られる前に見つけしだいRCVを対榴で吹っ飛ばしてやれ。」
<任せてください、月まで吹っ飛ばしてやりますよ。>
「その行きだ、おっしゃいくぞ。」
ヘッドセットの無線ボタンを押す。
「10、前進用意!・・・前へ!!」
号令で1小隊は一斉に前進する。
90式戦車2型による撃滅行進という名の口封じが始まった。