ダーク・ファンタジー小説
- 守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜オリキャラ募集中!! ( No.81 )
- 日時: 2015/10/23 19:26
- 名前: 裏の傍観者 (ID: /uGlMfie)
状況開始当日、結美中隊作戦室。
「・・・結美中隊、日暮奈3尉官、他56名集合終わり!!」
夕美は集まった人員を報告し、敬礼をしてきた。
了解した俺は答礼する。
「了解。」
回れ右をして、大隊長である相模1佐官に敬礼をする。
「大隊長に敬礼、かしらー・・・中ッ!!・・・直れ!」
「休ませ。」
「休め!!」
号令をかけ、部下を気を付けの体勢から休ませる。
「そろったようだな、今日はいよいよ行動を開始する日だ!わかっているとは思うが、今回の任務は知っての通り新宿で好き勝手暴れてくれた武装集団の首を締め上げることだ!・・・だがそう簡単にうまくいかないことは目に見えている。任務完遂が絶対だが、・・・何よりもお前ら自身の命だ!!いいか、完璧でなくてもいい、こう言っちまったら指揮官として失格だが・・・死ぬと思ったら全力で逃げろ!!助け合え!!!全力で協力しろ!!!!そして絶対に帰ってきやがれ!!この大隊は一人とて死なせやせん、これからもだ!!」
相模1佐官はそういって隣に立て掛けてあった大隊旗を片手に振り上げる。
「今回の任務は結美中隊だけでの行動になる、残念だが支援は一切ないぞ。・・・結美2尉官!!」
「はい!!」
「・・・頼んだぞ、帰りを待ってるかなら。」
「勿論だヤジさん、任せろ。」
相模1佐官と強い握手をする。
願いが込められたこの握手は、出撃しないほかの中隊の分までの思いが込められているように感じた。
「おう!・・・諸君らの奮闘に期待する!!」
「気を付け!!大隊長に敬礼!!かしらー・・・中ッ!!・・・直れ!!」
相模1佐官は作戦室を後にし、ほかの中隊長もエールを送りながら退室した。
「・・・いよいよね。」
「あぁ、今更緊張してきやがった。」
「夕美、貴志川、サポート頼むぞ。」
夕美は俺の手を握る。
貴志川は俺に拳を向ける。
「任せなさい。」
「この拳に誓ってやるぜ。」
本当に頼もしい。
「兄さん、僕たちも忘れてもらっちゃ困りますよ。」
「俺らだっているんだからな、全力でやって、皆でうまい酒飲もうじゃねぇか。」
「河瀬の言う通りだ、そうだろお前ら!!」
『おうッ!!!』
皆の士気は爆発するくらい高い。
その調子だ。
「その意気や良し!!んじゃ、行きますか!結美中隊、前へ!!!」
その号令で俺たちは作戦室を後にする。
退舎を出ると目の前には民間の運搬業者の大型貨物トレーラーが3台並んでいた。
「お待ちしてました、大和運搬の山下です。」
「結美中隊、中隊長の結美2尉官です。部下の輸送、よろしくお願いします。」
お互いに握手を交わす。
「任せてください。貨物内は快適に過ごせるようにしておきました。皆さんを無事送り届けるよう善処します。」
「ありがとう。」
コンテナ内を覗いてみると、そこはまるで高級ホテルのスウィートルームみたいになっていた。
「玲也、全員乗車したわ。貴志川は2号車に乗ったわ。」
「分かった。お先にどうぞ、お嬢様。」
助手席の扉を開けて夕美に先を譲る。
「フフ、ありがと♪」
夕美は助手席乗った。
それを確認した俺は運転手の山下に出発を促す。
「行きましょう。」
「分かりました。」
夕美の隣に座り、運転手はエンジンをかけた。
警笛を一瞬だけ鳴らし、トラックは前進を開始した。
途中、屋上に相模1佐官たちがこちらに向かって敬礼しているのを確認した。
「・・・・。」
夕美と俺は答礼をし、トラックは赤羽基地の正門を通過した。
無線機を取り出し、送信ボタンを押す。
「影トナリ結美中隊、状況を開始する!!」
ついに・・・、状況は開始した。