ダーク・ファンタジー小説

守るべきもの〜守リ手ノ戦争〜 ( No.83 )
日時: 2015/10/28 06:33
名前: 裏の傍観者 (ID: mvR3Twya)

夕美と貴志川、慶田先曹官を引き連れ、武装傭兵団の社長である原島 羽吹のいる社長室へと足を運んだ。
案内をしてくれた立派な体をもつ大男に扉を開けてもらった。

「社長、お連れしました。」

社長椅子が横に回転し、社長が姿を表した。
原島 羽吹、日本で初めて民間軍事会社を設立し、国内戦争から民間人を守るための人型防弾板を派遣するサービスを提供し続けている男だ。

「長い移動お疲れ様です、結美2尉官。私はこの会社の社長を勤めている原島です。」

「国防2等尉官の結美です。・・・今日からお世話になります。」

「こちらこそ、あの有名な国防官にあえて光栄です。」

互いに握手を交わし、案内されてソファーに座る。
机には恐らく国防大臣からだろうか、極秘と書かれた封筒がおいてあった。

「概要は国防大臣から送られてきた書類で確認しました。」

「今回の任務への協力、我々国防官一同感謝しています。」

「いえいえ、私は日本人として当たり前の事をしたまでです。日本を守りたい気持ちは我々も同じです。」

日本を守りたい気持ち。
確かに彼の言う通り、その気持ちは俺たち国防官だけではない。
武装傭兵団も同じだし、敵である自衛隊にもある。
なにが違うかとなるとそれは多分プライドなのかもしれない。

「それに、今回の作戦には我々にも関係があります。」

「そちらは警視庁から依頼されてるそうだとか?」

「その通りです。相手はテロリスト、だが分析の結果敵はテロリストにしては軍事レベルに匹敵するほどの装備を身に付けていた。あんなお金がいったいどこから流れてきているのやら・・・。」

原島社長は当時の写真を机におく。
真っ黒な、それも警察の特殊部隊にいるような装備を身につけた集団、米国製のアサルトライフル、M4小銃。

「我々武装傭兵団はテロ実行集団の尻尾を掴むことです。」

「手がかりは?」

貴志川はメモ用紙のページを変えながら質問をした。