ダーク・ファンタジー小説

Re: 明鏡止水【オリキャラ募集中】 ( No.13 )
日時: 2015/05/03 14:56
名前: ノクト (ID: ekp2OEpi)

なんかおかしい。
私はネズミが食い散らかす死体の前で異変を察知し周囲を見回した。
ふと少女を見るとさっきまでネズミが食べていた少女は血まみれのまま原形をとどめておらず、
血と臓器と肉でぐちゃぐちゃになっていた。
吐きそうになる匂いにぐっと顔をしかめ、周囲の探索を始める。
探索しているうちにスイッチのようなものを見つけた。
だがその赤色のスイッチは巨大で、少なくとも私の身長の三倍はある。
しかも恐ろしく頑丈らしく、乗ってスイッチを押そうと思っても押せない。
どうしたものかと唸っている時、壁に異変を見つけた。
私は魔法を使い、刀を出現させた。
刀を右手に持ち、上段の構えをとる。
全神経を集中させて、スイッチの土台を一閃する。
赤黒い燐光が走り、私の右手に持っている刀が熱を帯びる。
刹那、土台が真っ二つになり、頑丈そうな『扉』が出現した。
茶色の重厚感のある扉。
私がその扉のドアノブに手をかけると、扉はすんなりと開いた。
扉の向こう側を見ると、歪んだ空間の中にまた新しい扉がある。
その扉を抜けて、教会のような場所にたどり着く。
教会と思わせるその場所は、私がこの迷宮に迷い込む前に居た世界の教会と何ら変わらなかった。

私は祭壇の前に立ち、ステンドグラスを見上げ、神に祈るように目を閉じる。
だがその時。
周囲に殺気と緊張が入り混じった不穏な空気が流れる。
部屋全体が暗くなり、床と壁がきしむ。
さっきまで神々しいほどに輝く日の光に反射していたステンドグラスの模様が、白いヴェールに身を包んだ聖母から、不気味な紫色の『竜』に変わっていた。

あっ…これ、やばいかも。

そう私が思っている間にも、不穏な空気は強くなっていく。
教会全体が生き物のように蠢く。
不意に背後を振り返ると、ステンドグラスに描かれていた紫色の巨大な竜が、
私にむかって今すぐ攻撃しようと構えていた。
私が竜から目を逸らしたその途端、青い業火が光線の如く降り注いだ。
吐き出された青い炎を、さっとよける。危ない、危ない。
私はいっそこの竜を今すぐ殺してしまおうかと刀を構えて、魔法を詠唱しようとしたが、やめた。
その竜は透けており、攻撃してもすり抜けてしまい、当たらないのは明白だった。
私はここから脱出すべくぐにゃりと蠢く教会の内部を探索した。
強力な魔法が書かれている魔法書がある本棚を発見し、魔法書を数冊手に入れたり、隠し扉を発見して中を探ってみたりした。
だが。

「……なかなか出口が見つからないわね…」

そう。出口が見つからない。
探索は平行線をたどり、ついに私は疲れて床にうずくまった。
そんな私の姿を見た竜がすかさず距離を詰めてくる。
そのとき、不意に隠し部屋の壁に書いてあった壁画を思い出した。
青色の塗料で複雑に描かれた紋様。
そのまわりに描かれた巫女達。
あそこを通りかかったとき、私は何故か不思議な感覚に囚われた。
…私はそのことを思い出し、早速その隠し部屋にむかう。

自分の着ている黒いスカートについたホコリを払い、ひんやりと冷たい鞭を装備する。
母上様から賜った、どんなものでも破壊するという力を持つ鞭——【カティファーン】。
私はその鞭を握りしめ、壁画の紋様に叩きつけた。
一か八かの賭けだ。私の勘が正しければ——
激しい咆哮が大地を揺るがし、あたり一面に白い閃光が迸る。
あまりのまぶしさに私は目をつむる。
そして、その光が収まった時——

教会は、元の姿に戻っていた。
竜の姿も無く、竜の炎に壊された壁や家具も、元に戻っている。
ステンドグラスの模様も、元の白いヴェールに身を包んだ聖母に戻っていた。
だがさっきまで竜が鎮座していた場所には鮮やかな青色のクリスタルが
一つ、落ちていた。
日の光に反射して、クリスタルは青色に薄い紫色を溶かしたような色になる。
私は何かに使えるだろうと思い、クリスタルをポケットにしまった。
さっき私が鞭でぶっ叩いた壁画の横にある扉のドアノブをぐっ、と力を入れて動かす。
ドアの外に一歩踏み出した途端、青い燐光が私を包み、ここではない「どこか」へと転送していった…。






「…っ、————————————————」
私はぱっと目を開ける。
また、悪夢にうなされていたのだろうか。
夢の内容までは覚えていないが、物凄く不吉な夢だったことだけはわかる。
…それはそうと——

「ここは、どこかしら…」

私は自分の心に浮かんだ疑問をそのまま口に出し、同時に自分が仰向けに倒れていることを理解した。
倒れていた体を起こし、周囲を見回す。
大量の本がぎっしり詰まった本棚。
見て回れないくらいに広い室内。
本棚は部屋全体を見る限り数えきれないほど設置されている。
木製のテーブルに椅子。
カウンターらしき場所。
薔薇が咲き乱れる中庭。
ここは…『図書館』だろうか?
…いや、そうとしか考えられないだろう。常識的に考えて。
まぁここが図書館だろうがそうでなかろうが変わらない。
また変な状況に陥っちゃっただけのこと。

「念のために…」

私は魔法を詠唱し、鞭を出現させた。
そして、竜を倒したときに手に入れた青いクリスタルを見つめる。
その途端。不意にクリスタルが光を放ち、消えた…。
手にはさっきまで持っていたクリスタルの感覚が残っている。
あまりの出来事に呆然とするしかない。
呆然とする私の耳に、今度は聞きなれない声が聞こえてくる。

「おめでとうございます。あなたはゲームの参加者となりました。
(各自、戦闘待機)
今日からここが、あなたの拠点です。
(今日からここが、あなたの家です)
全員、戦闘準備。データのバックアップを開始します。
(室内温度計測を、開始します)
さあ、素晴らしい惨殺ゲームの始まりです。
(チーム発表の、お時間です♪)
ゲームのルールを発表します。
今から私がすべての参加者を六人ずつのチームに分けます。
(人数が足りないなら、新しく連れてくればいいんです♪)
一チーム六人。そのチームで別のチームを殺すのです。
自分の所属するチーム以外に存在するチームを全員殺せばいいと言うことです。
(簡単でしょう?)
この殺し合いゲームは実力はもちろん、準備や装備が大事。
ですからこちらのほうで拠点と、
それから…手に入れたものを大量にしまうことのできる魔法のバッグを与えましょう。
(バッグの内容量は無限なんです)
私はあなた——あなたたちの織りなすゲームを、暖かく見守っていますよ。
(再起動まで、五秒前)
ではお楽しみください。
最悪で最低の悲劇(BadEND)を———」

ぷつっと電子音声が途切れた。
そのあと、不気味なほどの静寂が図書館内を漂う。
電子音声が紡いだ説明ははっきりと理解できた。
だが「チーム」ってなんなのかしら?
私以外にも、この「迷宮」に取り込まれた人がいる、ってこと、よね。

あれやこれやと考えをめぐらして、私は戦うことに決めた。
逃げられるなら、すべての事から目を背けていいのならそうしている。
だがそれさえも禁止されたこの世界では、戦うよりほかに方法がないじゃない。
私はおもむろに視線を前にやると、「パンドラの箱」とかいてある宝箱(?)を見つけた。

まったく、次から次へと一体何なのよ…

私が箱に近づくと、箱のフタが勢い良く開いた!
そしてそこから出てきたのは…


Next.