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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 狂ノ楽譜【オリキャラ募集中】 ( No.35 )
- 日時: 2015/05/09 20:56
- 名前: ノクト (ID: svQnAgX7)
灰色の髪の少女は突然始まったゲームに戸惑っていた。
少女の名は酒井有梨好。
ココロの中にもう一人の自分を棲まわせた、すこしばかり変わっている少女である。
なんだよ、此処。
俺はベンチの隣で頭を抱えていた。
突然わけのわからない場所に飛ばされたと思ったら、聞いたこともない声に「さあ、素晴らしい惨殺ゲームの始まりです。」と言われたんだから、無理もないよな。
殺し合いとか、突然言われても理解できないに決まってる。
現実ではこんなことありえない。
そう思わせるほどにこの異世界で俺が体験したことは突飛な事だった。
これは夢だ、そうに違いないと軽い現実逃避に目覚めたが、「それ」を否定するとなるとこの迷宮に迷い込んだことさえも「ありえない話」になってしまう。
現実から目を背けるのは簡単だ。
だがそれですべてが解決するとは思えない。
自分の墓穴を掘るだけで、結局は一歩も進んでいないのだから。
だから、今俺に残されている選択肢は「進む」ことだ。
そうは思っても、今の俺はわけのわからないゲームに参加させられた挙句殺し合いとか…ふざけんなという心境だ。
このまま立ち止まっていてはいけないとココロでは思っているのに、いつの間にかベンチに横になっていた。
どうせ俺がいなくても、ゲームは進行する。
人数があと少しだけ増えれば、チームは自動的に決まるだろう。
それに、今だけは他人に会いたくなかった。
ヴーン…!ヴーン!
突然なにかの起動音がして、バッと飛び起きる。
懐をまさぐれば、スマホが着信音を発しながらブルブルと震えていた。
画面には、「新着メール:一件」と表示されている。
画面をタップして、メールの中身を開く。
ピンッと効果音が鳴って、次のような文章が表示された。
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