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ダーク・ファンタジー小説
- PROLOGUE……? ( No.1 )
- 日時: 2015/03/17 20:59
- 名前: cheesecake (ID: dDPEYPay)
「緊急募集」
人数限定12人の選ばれし生徒が、新たに開発された人工超能力の性能テストに参加することができます。
もれなく新開発された能力も参加した皆様に無償でプレゼント、その日から使っていただいて構いません。
権利を放棄することだけは禁止。
日程: 3/22 初回集合〜
条件: 18歳以下であること、親の付き添いが不要であること
応募方法: 下記のアドレスにメールを送るだけ。詳細は当選者に一通の登録メールが送られます
42731chounouryokutest@abcdemail.com
超能力開発販売機構
ーーーーーー
「緊急募集」と称されたこの広告は、ビラとして、また、インターネット上の文字列として、日本中……世界中に瞬時にばらまかれていった。
ーーテレパシーにテレポート、念力。
……それらは、もう単なる妄想の賜物ではなくなった。
多額のお金さえあれば、"超能力開発販売機構" が人工的に開発した超能力遺伝子を体内に組み込んでもらえる。
……言葉を発することなく自分の思いを伝えたり、念じるだけで物体を動かせるようになる。
お金さえ、あれば。
……超能力の人工的植え込みは最先端の技術であり、莫大な費用がかかる。
そのため、一般市民にとっては超能力はまだまだ遠い存在であった。
それなのに。
「……子供達に、無償で能力を提供するなんて……12人分ですよ、経営面では大丈夫なのですか」
この疑問が浮かび上がって来るのは、自然なことである。
そんな取材陣に対して、超能力開発販売機構ははっきりとこう答えた。
「大丈夫です」
そうして、もう一呼吸おいて、静かに言う。
「私達は、大丈夫です」
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