ダーク・ファンタジー小説
- Re: __超能力開発販売機構__ ( No.39 )
- 日時: 2015/08/26 23:17
- 名前: Cheesecake ◆KZPY2R0EJs (ID: g/om0k0Y)
本当は南堂君の話もあげたかったけど (書きかけ)、とりあえず更新。
ちと短いですが海ちゃんのお話
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この虚無感と、どこか心の底に感じている怒りはいつものこと。
だって、本当にやることもないし行くところもなく、することがないのだから。今は。
ただひたすら待つしかない。
学校は最近サボり気味である。行っても男子たちは幼稚だし、女子たちからの「休みがちの黒月さん」への目線は相当痛い。もちろん、黒月海--彼女はそんなことを気にしているわけではないが、ただ単に相手にするのがめんどくせえのだ。
しかし......施設の管理人は、ひたすら彼女に学校に行けと促す。義務教育を受けさせていないと、どうやら上からまずいお言葉を頂いてしまうようで。
「知るか」
海は、心の中で施設の管理人にべーっ、と舌を出した。
......施設。
黒月海というたった11歳の少女は、幼い頃に父母が何者かによって殺され、さらに引き取り手であった祖父母も去年に亡くしているのだった。不幸に不幸が続き、彼女は引き取ってくれる身寄りもない天涯孤独の身になってしまったのである。
そのため、県内にあった児童養護施設にて彼女は食事をし、衣服をもらい、睡眠をとっているのであった。
それでも、早くこんなところから海は出て行きたかった。だって、彼女には達成したいことがあるのだから。
それは、両親の仇取り。
「黒月夫妻殺人事件」は、知らぬものはいないほど有名な殺人事件だ。2人の男女が犯人である人物にズタズタに切り裂かれて森のあちこちに捨てられたという、もはや人間のすることではないと恐れられたほど血生臭く残虐な事件であった。犯人は一回逮捕されたものの、脱走し今もなお逃走を続けている。
事件当時、海はそれほど幼いわけではなかったため、あの光景はしっかり覚えている。優しかった母の手、頼もしかった父の目。それが、切られて血みどろになり、そしてばら撒かれる......
絶対に、忘れることのないこの恨み。
だから、海は犯人を探し出して......殺してやりたい。自分で。ずったずたにしてやりたい。血液の最後の一滴まで絞り出してやりたい。そうしたら、私も逮捕されて死ぬのかな。それでもいいや。
兎に角、両親の仇は絶対にとってやる。
しかし、そうはいえども簡単にそんな仇など取れるわけもない。
それでも......
「見つけちゃったんだよね」
海は、管理人が買い物に行っている間にコソコソと彼の部屋に入り込んで、自分の部屋から持ってきた一枚の広告を取り出した。
「緊急募集」
彼女は手際よく、数回の部屋への忍び込みと沢山のリサーチからやっと得ることのできたウェブメールを管理人のパソコン (ラッキーなことに、電源が付けっ放しだった) で立ち上げ、広告に指定されたメールアドレスに空メールを送る。
送信ボタンを押した時、海の胸は興奮と喜びの気持ちでいっぱいだった。
まだ当選するかはわからないし、全国で12人だけだからむしろ当選しない確率の方が高いけれど、もしこれで当選したら......
仇取りが、もっと簡単になるだろう。
そう考えるだけで、管理人室に忍び込んだことがばれた時の罰の痛みでさえ半減するように感じた。
海は満足げにパソコンのブラウザを閉じ、部屋に戻る。
「首洗って待ってろよ、殺人犯。」
〈3/5 (JPN time) 15:32 黒月 海…申込確認〉
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はにわ様>>
リョーカイです、やっときますね。
高木家最強説浮上? ......ちゃんと識くんの弱点も書いていきますね (そのつもり)