ダーク・ファンタジー小説

Re: ★パンやの剣士さん!~3人のこい~★ ( No.10 )
日時: 2015/03/26 20:17
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

「じゃあ、俺帰る。」

緑は、椅子から立ち上がり、病室から出て行った。

しーーん。

部屋は、静まり返った。

どこからか、心電図の音が聞こえてくる。
薬品の匂いが、鼻を突く。

「暇になっちゃった……」

大きく、深呼吸をしてテーブルの上の本を手にとった。

そのあとは、抗ガン剤を持ってきた看護師や、
医師がやって来るくらいだった。

青は、体を起こした。
今日こそは、
アレを実行するんだ。

体に、繋がれた管を、
全て引き抜き、
サンダルに足を入れた。

ニットの上着を羽織り、
帽子をかぶると、
扉を開けた。

ああ、寒寒い。
冷房ききすぎだろ。

パタパタと、
音を立てながら
廊下を進んで行く。

ばれたら、
怒られるかな?

廊下の窓を開けて、
飛び出した。

そして、
庭の植え込みに突っ込んだ。

「ハハ!脱出なんて、案外簡単ね。」

ケケケ、と笑いながら植え込みから、脱出した。
そして、駐車場を横目に病院を後にした。

さぁ………ここから、どうやって帰ろうか。