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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 命を売り買いする場所。 ( No.20 )
- 日時: 2018/06/07 17:27
- 名前: とりけらとぷす (ID: nA9aoCfQ)
何故、皆が皆、僕を馬鹿だといい、苦しめるのだろう。父親も、ロベルトも。
何故、嘘を吐くことが世間で生きることなんだ。
人間は、嘘を吐かなきゃ生きていけないのか?
頭の中をぐるぐる回る”嘘”という厄介なものは、一層僕を苦しめた。
ロベルトが、僕の父親に二人のメイドの事を言った所で、二人が仕事を辞めることにも、罰を受けることにもならないだろう。
だとしたら、あの時、僕は何故二人に逃げるように言ったのだろう。
…ああ見えて僕の父親は慈悲深い所がある。罰を与えたとしても、仕事を増やされるくらいで、体罰なんかは与えない性だ。
ーーーー僕は知らぬ間に、この世で生き残るための術というものを、身につけてしまったのだろうか。
普通の貴族の屋敷だと、二人はきっと追い出されて、罰を受ける。
僕は、この世のルールを知っているのに。
本当は、全部知ってるかもしれないのに。
「大丈夫ですか、レオ様!」
僕が机にうつ伏せになっていると、いきなりドアが開き、シフティと390が駆け込んできた。
「ああ、大丈夫だよ」
そう言って顔を上げたが、少し頭痛とめまいがした。
二人は心配そうな顔をして僕を見たが、少し安心したように表情を緩めた。
短いですが、ここで一旦切ります(。-_-。)
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